ドローン操縦士、農村の若者に人気の職業に
旧暦の6月、重慶市の農村では農繁期を迎えた。重慶市合川区竜市鎮の田んぼのそばで、喩信さん(38)は空に浮かぶドローンをじっと見つめていた。操作すると、ドローンは肥料を均等に農地に撒いた。工人日報が伝えた。
スマート農業の普及に伴い、多くの80年代、90年代生まれの農家がドローンの操縦士になった。ドローンの操作により播種、施肥、農薬散布などの農地スマート化植物保護作業を行っている。市場の需要が旺盛で、明るい発展の見通しを持つドローン操縦士はすでに、農村の若者の間で人気の新職業となっている。
合川区の農村出身の喩さんは1年前、ドローンの発展のチャンスに目をつけ、農業用ドローンの操縦士になった。
夏の農繁期は、喩さんにとって1年で最も忙しい時期でもある。喩さんは今回、竜市鎮の農業企業の協力を取り付け、同企業が請け負っている農地に1カ月以上にわたるサービスを提供することになった。「料金を農地の面積で計算すると、1ムー(約6.7アール)当たりの播種は15元(1元は約21.9円)、施肥は20元、農薬散布は10元。ざっと計算するとなかなかの収入だ」。喩さんはこのビジネスに非常に満足している。
従来的な農作業と比べると、ドローンによる農業には大きなメリットがある。喩さんは「例えば面積約50ムーの田んぼならば、播種だけでも10人で数日もかかるが、私はドローン1機で田んぼの端に立ちながら行える。ドローンは60kgの種子を積載し、20分で撒き終える」と例を挙げながら説明した。
喩さんは取材に、「播種を例にすると、まず操作フローに基づきサービスを提供する農地をドローンで空撮し、データをバックエンドに送信しソフトウェアで飛行ルートを生成する。あとは種子を積載したドローンを離陸させれば、自動でルートに従い種を撒くことができる。ドローン農業の精度は人の手に比べ大きな優位性があり、種の分布もより均等だ」と述べた。
農業用ドローンは近年、農業生産における応用は増える一方だ。統計によると、中国の農業用ドローンの作業面積は増加傾向が顕著だ。2023年の農業用ドローン数は20万機に達し、作業面積は延べ約1.42億ヘクタールだった。
今年1月1日に「無人航空機飛行管理暫定条例」が正式に施行された。条例は、「ドローン操作者は民間用ドローン運転航空機操作制御員免許を持たなければならない」と明確に規定した。
ドローンの使用者である喩さんは、この新しい規定を非常に歓迎している。「市場の見通しが明るいからといって誰もがこの業界に進出したがり、就業者の質にばらつきが出ている。さらには意図的に市場をかく乱しようとする悪質な者もいる。就業者の進出ハードルの引き上げは業界の規範的な発展の推進に役立つ」と喩さん。
喩さんはこの業界に入ってから農業知識の学習を続けており、そのかいがあって営業でより顧客に認められているようになった。喩さんは、「農地のドローン操縦士は総合的な素養を持つ必要がある。ドローンの操作だけでなく、病虫と雑草の害、薬学の常識、施薬技術、作業マニュアルなどの知識にも精通する必要がある。両者が同じぐらい重要だ」と説明した。業界関係者は、「若い就業者は農業用以外にも、消防、測量、緊急時管理などのドローン応用分野を切り開き、農繁期と農閑期の収入のアンバランスを調整すべきだ」と提案した。(編集YF)
「人民網日本語版」2024年7月12日
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