世界に目を向けるロボットの「AIの目」
色とりどりの資材の山の中から目的の商品を正確につかみ取り、散乱した宅配ボックスをきれいに積み重ね、バッテリーモジュールを搭載して自動車組立ラインで自由自在に組立作業を行う――産業用ロボットがこうした作業を円滑に行うには、鋭い「目」が欠かせない。北京の中関村科学城にある小巨人企業(高い成長性または大きい発展のポテンシャルを持つテクノロジーイノベーション中小企業)の梅卡曼徳(北京)ロボット科技有限公司(Mech-Mind Robotics)の実験室では、さまざまな特徴的なロボット人工知能(AI)の「目」となる3Dビジョンを見ることができる。
欧州、米国、日本、韓国といった従来的な工業大国と比較すると、中国は3DビジョンとAIとの融合において後発者ながら追い上げを見せ、一部の細分化された分野では、レースでのコーナリングで後続車が先行車を抜くように先発者を追い越している。
AI搭載3Dビジョンが中国で順調に成長したことは、急速に拡大する広大な市場があればこそだ。2023年末現在、中国の産業用ロボット市場の規模は13年連続の世界一で、過去2年間近くの市場シェアは世界の半分以上を占めた。この間に、AI技術の勢いある発展と画期的な進歩にともない、前出の梅卡曼徳や、商湯科技開発有限公司(センスタイム)、北京極智嘉科技股份有限公司(ギークプラス)など「AI+ロボット」分野に専念する一連の企業が雨後の竹の子のように次々に現れてきた。
AI搭載3Dビジョンは中国国内に根を下ろし、成熟を遂げた後、今度は海外市場に目を向けるようになった。独自開発のAIビジョンアルゴリズムなどの競争上の優位性を利用し、中国企業は海外で大きなシェアを獲得した。Mech-Mind Roboticsの関係責任者は、「過去数年間、当社の中国内外の業務が同時に高度成長を維持した。特に海外での営業収益が毎年倍増した。今年は海外業務の占める割合が50%を超えることが予想される」と説明した。(編集KS)
「人民網日本語版」2024年7月19日
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