AI心理カウンセラーで低コストで不安を解消できるのか? AI心理サービスが発展中
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アルゴリズムを用いてSNSの中から自殺のリスクがあると疑われる情報を識別・スクリーニング・分析し、自殺のリスクが高い人を発見すると、その人の家族や友人とできる限り連絡を取ったり、早期に警告を発するとともに、相応する救助活動を行う。日増しに成熟する人工知能(AI)技術は、心理的な面における応用が徐々に深化している。
2022年に発表された「世界メンタルヘルス報告書」によると、世界には精神障害のある人が10億人近くいる。その一方で、精神障害をめぐる各種サービスは深刻な不足状態にある。中国国家衛生健康委員会のまとめた統計データによれば、21年末現在、中国の登録された重度精神障害患者は660万人いるのに対し、中国の精神科医師はわずか6万4000人で、全国の医師総数のわずか1.49%にとどまっている。
中北大学の学生チームがこのほど、中国初の複数の役割を担う「AI心理的治癒大規模言語モデル」と「AI感情認識サービスプラットフォーム」を開発した。大学生のメンタルヘルスの問題をより効果的に解決するのが狙いだ。実際、ここ数年はAI技術による心理サービスへのエンパワーメントは珍しいことではなくなっている。そして、社会公益団体「木の穴行動救援チーム」を立ち上げたAI分野の専門家がいる。発足からの5年あまりで、自殺行為6000件あまりを未然に食い止め、少なくとも3000人の命を救ったという。
AI技術が他の分野と業界に応用されてさまざまな懸念を引き起こしたのと同じように、AI心理サービスが幅広く応用されることで精神科の医師や心理カウンセラーは仕事を奪われるのではないかと懸念する人はいる。しかし果たしてそうだろうか。
長年にわたりAI技術の発展に注目してきた経済学者の余豊慧さんは、「AI心理サービスにはAIならではの優位性はあるが、完全に人間に取って代わることは不可能だ。まず、AI技術は人間の心理カウンセラーによる感情面でのサポートと人間らしい心遣いを代替することはできない。次に、AI技術では一部の複雑な心理的問題や精神疾患を処理できない可能性がある。こうした問題はより深い専門的な知識と技術に基づいて解決することが必要だ」との見方を示した。
中関村モノのインターネット産業連合の袁帥副事務局長は、「AI心理の応用と人間の心理カウンセラーは相互補完の関係であるべきだ。最初のスクリーニング、診断補助、初期段階の介入において、AI技術は人間の働きの一部を代替することができる。踏み込んだカウンセリング、感情的な交流、危機への介入といった高度な専門的技術と人間の心の奥に触れる分野については、やはりAIでは人間の心理カウンセラーの代わりにはならない」との見方を示した。(編集KS)
「人民網日本語版」2024年7月29日
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