中秋節に向けて、杭州の寺院が次々と精進スタイルの月餅発売開始 浙江省

人民網日本語版 2024年08月28日08:23

北宋(960-1127年)時代、浙江省杭州市の寺院にはすでに、動物性原材料を一切使用しない精進スタイルの月餅「素月餅」があったという言い伝えがある。「太師餅」から進化した「素月餅」を愛する杭州の人々の思いは、1000年以上もの間、受け継がれ続けてきた。中秋節(旧暦8月15日、今年は9月17日)が近づき、杭州市の各寺院はそんな素月餅の発売を次々と開始している。先頭を切ったのは法浄禅寺で、8月9日には早くも発売を開始した。それに続いて、法喜寺や香積寺、霊隠寺なども順次発売を開始し、杭州は今、年に一度の「月餅シーズン」に突入している。浙江在線が報じた。

法喜寺で販売している

法喜寺で販売している「素月餅」

法浄禅寺の関係者は、「今年も最も伝統的な杭州の味になっており、黒ゴマ、ハスの実餡、バラ、果実ミックス、小豆、椒塩(粉サンショウと塩を混ぜた餡)の6種類。値段も昨年と同じで、8個1セットで50元(1元は約20.3円)」と説明する。

子供の夏休みに合わせて杭州に旅行に来たという李さんは、月餅をすでに発売している法喜寺で、「どの味がおいしいのか分からないので、全て1セットずつ買った。杭州の寺院が月餅を売っているというのは初耳。たくさんの人が買っており、おばさんたちも『おいしい。杭州の伝統的な味』と言っていたので、食べてみようと思って買った」と話していた。

中国では国産品のトレンド「国潮」がブームとなり、若者の心を掴もうと各老舗が取り組んでいることもあって、若者の間で「素月餅」の人気も高まっている。中国データ研究センターが発表した「2023中国月餅業界消費・ブランドの現状白書」によると、各種特色ある月餅に関心を持つ男女を年齢層別で見ると、20-40歳が最も多く、60%以上を占めていた。

杭州の老舗・百味聚が企画した月餅の展示・販売イベントで、李君総経理は、販売代理店に、今年の新商品を紹介し、「このとてもヘルシーな『シイタケ&紫蘇味』の素月餅は今年の新商品で、若者の人気を集めている。『シイタケ&紫蘇味』と『塩味の干し野菜入り』の月餅はカロリーが低く、ヘルシーが売り。その他にも、『クルミ入りナツメあんスポンジ生地仕上げ』の月餅は、月餅の皮の部分にスポンジ生地を使用している。ヘルシーで美味しい商品を作るというのは、当社が常に追い求めていることで、『素月餅』の販売も、市場のトレンドとニーズに合わせた取り組み」と説明していた。(編集KN)

「人民網日本語版」2024年8月28日

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