中国初の商用化体積バイオプリンティング設備が発表

人民網日本語版 2024年09月04日13:49

広州医科大学番禺キャンパスでこのほど開かれた第1回緑鑰体積プリンティング技術応用フォーラムでは、広州医科大学が関連機関と共同で中国初の商用化体積バイオプリンティング設備「OrganSEC」を正式に発表したことが8月29日、分かった。同設備は従来の積層印刷の速度が遅く、細胞の生存率が低いという問題を解決し、技術指標で世界最高レベルに達した。科技日報が伝えた。

研究開発チームの責任者で、同大学生物医学・工程学院教授の謝茂彬氏は、「体積バイオプリンティング技術はCTイメージングの原理に基づき開発されたボリュームスライス及び光強度補正アルゴリズムだ。3次元オブジェクトの縦方向2次元スライスを特定のアルゴリズムにより回転する印刷ボトルの中に投影し、ボトル内の光硬化バイオインクと細胞が全方向から同時に3次元オブジェクトを形成することを可能にしている。その印刷方法は立体成形だ。 OrganSECはホログラフィックイメージング投影技術とCTイメージングの原理に基づく逆投影アルゴリズムを採用。設備はcmサイズの3次元(アクティブ)構造を10−120秒で印刷でき、印刷効率と細胞の生存率を極めて大きく高めている」と説明した。

同設備の印刷後の細胞生存率は95%以上で、高い細胞活性を示す。同設備を利用することで、可視光及び室温で細胞の印刷が可能になる。OrganSECは主にオルガノイド市場向けに研究開発されたもので、オルガノイドの生成、オルガノイドベースの腫瘍個別化投薬、オルガノイドベースの薬品スクリーニングなどに適しており、腫瘍患者に個別化された服薬指導を提供する。

謝氏は、「患者が腫瘍の転移・再発を起こした場合、医師はより正確な投薬プランを見つけるため、患者の腫瘍サンプルに対して臓器サンプルの培養と薬品スクリーニングを行う。かつてはこのようなサンプルの培養には少なくとも2、3週間かかっていたが、現在はこのOrganSECを使えば10秒で完了する。我々は現在、オルガノイド腫瘍に基づく個別化投薬のスクリーニングガイドラインを作成しているところだ。ガイドラインは主に医師の服薬指導に用いられる」と述べた。

謝氏の研究開発チームはフォーラムで、中国で初めて独自に研究開発された体積プリンティング設備制御ソフトウェア「Haomiao」と、6種の商用化バイオプリンティングインクを発表した。Haomiaoは制御・計算・パラメータ調整などの機能を高度に統合し、豊富な印刷モデルライブラリ、リアルタイムオンラインスライス、マルチ文書印刷という3つの特徴的な機能を持ち、中国の体積プリンティング制御ソフトウェアの空白を埋めた。(編集YF)

「人民網日本語版」2024年9月4日

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