中国の科学研究者、南中国海における鯨類の種の多様性をさらに確認

人民網日本語版 2024年09月23日16:18

中国科学院深海科学・工学研究所が20日に明らかにしたところによると、海洋哺乳類・海洋生物音響学研究所が主導した「第7回南中国海深海潜水/遠洋鯨類科学調査航海」がすべての科学調査ミッションを完了し、このほど順調に海南省三亜市に帰還した。今回の科学調査は多くの成果を上げた。科学研究者は調査により、南中国海の一部の海域は鯨類の種の多様性が豊富で、数多くの深海潜水・遠洋型のクジラ・イルカ類が南中国海の深海エリアで生息していることをさらに確認した。科技日報が伝えた。

「第7回南中国海深海潜水/遠洋鯨類科学調査航海」の科学研究者が南中国海海域で記録したサラワクイルカ。

「第7回南中国海深海潜水/遠洋鯨類科学調査航海」の科学研究者が南中国海海域で記録したサラワクイルカ。

今回の航海は18日間かかり、航行距離は3300km以上。調査エリアは南中国海北部の大陸棚、海山、トラフの海域に集中。航海は目視調査とパッシブ音響学モニタリングを結びつける方法を採用するとともに、環境DNA採取などの手段を補助とし、第1−6回科学調査航海を踏まえた上で、さらに南中国海の鯨類の種の多様性や、個体群の現状、分布傾向などの研究と調査を行った。科学研究者は調査期間中、深海潜水及び遠洋鯨類の群れを計37回目撃した。うち深海潜水鯨類は28回で、映像撮影と動物の発声記録により多くの鯨類の画像、動画、音声資料を取得した。

科学研究者が調査結果を初期的に分析したところ、今回の航海で目撃された鯨類は少なくとも12種で、うち深海潜水及び遠洋鯨類はマッコウクジラ、コビレゴンドウ、カズハゴンドウ、ハナゴンドウ、サラワクイルカ、マダライルカ、ハシナガイルカ、シワハイルカ、ハンドウイルカの9種で、ヒゲクジラは1種。

「第7回南中国海深海潜水/遠洋鯨類科学調査航海」の科学研究者が、南中国海で撮影したクジラの群れが活動している様子。

「第7回南中国海深海潜水/遠洋鯨類科学調査航海」の科学研究者が、南中国海で撮影したクジラの群れが活動している様子。

同研究所の李松海研究員は、「第1−6回航海と比べると、今回の航海はマッコウクジラ、サラワクイルカ、コビレゴンドウなどの南中国海でよく見られる深海潜水鯨類の生態学、音響学、行動学のデータをさらに蓄積した上、ハンドウイルカ、カズハゴンドウ、シワハイルカなどの種の南中国海における分布範囲をさらに広げた。このほか、特に注目すべきなのは、今回の航海はヒゲクジラの南中国海における野外記録を新規追加し、確かな位置と生息環境の情報を取得したことだ」と説明した。(編集YF)

「人民網日本語版」2024年9月23日

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