世界最小の恐竜卵化石、江西省で発見
江西省地質調査勘査院、中国地質大学(武漢)、中国科学院古脊椎動物・古人類研究所、江西省地質博物館からなる研究チームはこのほど、江西省贛州市贛県区梅林鎮で新たな卵化石タイプを発見し、保存状態が良い世界最小の恐竜卵化石の記録を更新した。これに関連する成果は国際的学術誌「ヒストリカル・バイオロジー」に掲載された。科技日報が伝えた。
江西省地質調査勘査院の楼法生チーフエンジニアが率いる江西省地質調査勘査院と江西省地質博物館の研究チームは2021年、梅林鎮の建設現場で保存状態が良い卵が入った巣の化石を発見し、収集した。その中には不規則的に並ぶほぼ完全な6個の卵化石があった。層序年代は今から8000万年以上前の白亜紀後期。研究チームはその後、中国地質大学(武漢)及び中国科学院古脊椎動物・古人類研究所と協力し、3年間の研究を経てこれらを恐竜卵化石と確認した。
楼氏は、「今回発見した恐竜卵化石は楕円形で、殻の表面にはワーム状と結節状の模様がある。卵化石は非常に小さく、殻が極めて薄い。これらの特徴はその他の既知の恐竜卵化石とやや異なる。これまで中国で発見された恐竜卵化石のうち最も小さいものは浙江省で発見された『金国微楕円卵』で、サイズは約45.5mm×40.4mm×34.4mm。贛州で今回発見され卵化石の長さは29mmしかない。そのサイズ、殻の厚さ、気孔システム、超ミクロ構造などがこれまで発見されたものと大きく異なるため、チームは新しい属と種を確立した」と説明した。
中国地質大学(武漢)の韓鳳禄准教授(古脊椎動物研究分野)は、「既知の卵化石の体系的な進化を分析した結果、これらの恐竜の卵を小型獣脚類恐竜のものだと判断した」と述べた。
研究チームは、新たに発見された世界最小の完全な恐竜卵化石は、白亜紀後期の恐竜の卵の多様性を高め、白亜紀後期の獣脚類恐竜の進化と繁殖方法の理解に対して重要な意義を持つとした。
恐竜卵化石が世界で最も豊富な地域の一つである贛州盆地からは近年、多様な形態を持つ恐竜卵化石が大量に出土している。(編集YF)
「人民網日本語版」2024年10月21日
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