地下700メートルに設置の江門ニュートリノ実験検出器メイン装置が完成
地下700メートルに設置の江門ニュートリノ実験検出器メイン装置が11月20日、完成した。科技日報が伝えた。
ニュートリノは物質世界を構成する素粒子の一つだ。宇宙で最も古くからあり、その数が最も多い物質粒子であり、また質量が極めて軽く、運動速度が光速に近く、かつほぼすべての物質と反応しない極めて神秘的な素粒子となっている。1956年に発見されてから、人類はニュートリノの模索と研究を続けている。
ニュートリノの神秘に迫るため、江門ニュートリノ実験の建設が2015年に正式に始まった。同実験はニュートリノ質量順序の測定を最重要科学目標とし、同時に各種重大先端学際研究を実施する。ニュートリノは透過力が極めて高い。地下700メートルで建設される江門ニュートリノ実験検出器は、宇宙線及び外界のその他の干渉から効果的に遮蔽され、ニュートリノの捕捉の妨げにもならない。
江門ニュートリノ実験の中核検出器は、有効質量2万トンの液体シンチレーション検出器となっている。中国科学院高エネルギー物理研究所副所長で、江門ニュートリノ実験プロジェクト常務副経理の曹俊氏は、「直径41.1メートルのステンレス製格子シェルは検出器を支えるメイン構造だ。そして直径35.4メートルの有機ガラス球、2万トンの液体シンチレータ、2万本の20インチ光電子増倍管、2万5000本の3インチ光電子増倍管などの多くの検出器部品を含む」と説明した。
ステンレス製格子シェルの有機ガラス球は、厚さ12センチメートルの263枚の球面パネルと上下の煙突をつなげて作られる。有機ガラス球の自重は約600トンで、単体としては世界最大の有機ガラス球となる。
江門ニュートリノ実験検出器メイン装置は完成後、超純水と液体シンチレータを注入する段階に進む。江門ニュートリノ実験は2025年8月に正式に稼働しデータを取得し、約30年にわたり稼働する見込みだ。(編集YF)
「人民網日本語版」2024年11月21日
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