中国人が1万年前に酒造り 考古学的に証明

人民網日本語版 2024年12月12日13:56

酒造技術の起源と発展についての歴史はこれまで解明されていなかった。中国科学院地質・地球物理研究所、浙江省文物考古研究所、米スタンフォード大学などの機関の科学研究者は中国浙江上山文化遺物に焦点を当て、複数種類の微化石分析法を利用し、東アジア最古の酒造りの証拠を発見し、1万年前の上山遺跡稲酒造技術を解明したことが11日、分かった。これに関連する研究成果は「米国科学アカデミー紀要」にオンライン掲載された。科技日報が伝えた。

科学研究者は浙江省浦江県上山遺跡で12点の陶器の欠片を採集した。これらの陶器は、発酵、貯蔵、調理などに使われていた。論文の筆頭著者で、米スタンフォード大学教授の劉莉氏は、「サンプルの採集後、陶器の使用機能及び食物の加工方法を特定するように、すべての陶器の内側の残留物、陶胎、文化層の堆積物などの微化石抽出・分析を行った」と説明した。

植物珪酸体分析によると、陶器の残留物と陶胎には大量の栽培化された稲の植物珪酸体が含まれていた。これは米が上山の人々の重要な植物資源であったことを意味する。また籾殻と稲葉が陶器作りに用いられており、米が上山文化で中心的な役割を果たしていたことがさらに実証された。

また、科学研究者は陶器の残留物から稲や稗など複数の植物のデンプン粒を発見した。劉氏は、「多くのデンプン粒が酵素加水分解と糊化を示していることから、これらの植物が発酵されたことが分かる。さらなる研究により、モナスカス属や酵母細胞など大量の真菌成分を発見した。そのうち一部は典型的な成長・発育段階を示した。これらの真菌は伝統的な醸造酒に用いられる真菌の種類に関連している。例えばモナスカス属は中国の伝統的な紅麹酒の醸造に使われる主要なカビだ」と述べた。

次に、科学研究者はモナスカス属と酵母遺物の異なるタイプの陶器における分布を分析した結果、口の小さい壺に含まれるモナスカス属と酵母の量が調理器として用いられる壺と一般的な食物の加工に用いられる口の大きい鉢を大幅に上回ることが分かった。これは陶器のタイプが特定の機能と関連しており、うち口の小さい壺が酒の醸造と発酵に特化していた可能性を物語っている。

劉氏は、「この研究は早期の稲酒造の複雑性と革新性を解明しただけでなく、東アジアの稲作農業の起源、早期の社会構造、技術の伝播を理解するための重要な科学的根拠を提供している」と述べた。(編集YF)

「人民網日本語版」2024年12月12日

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