35年間継続される外交的伝統、中国の外交部部長が年初にアフリカ訪問

人民網日本語版 2025年01月06日14:22

王毅中共中央政治局委員兼外交部部長(外相)が1月5日から11日までナミビア、コンゴ共和国、チャド、ナイジェリアを招待に応じて訪問する。中国の外交部部長が年初にアフリカを訪問するのは35年連続となる。

1991年から、中国の外交部部長は毎年、新年最初の訪問先にアフリカを選んできた。アフリカ問題の専門家によると、今回の訪問は35年間続く外交的伝統で、中国とアフリカの友好が時空を超え、山や海を越え、代々受け継がれていることを改めて示すものだ。

中国アフリカ研究院の呉伝華副研究員によると、中国外交部部長による今回の訪問は、中国アフリカ協力フォーラム(FOCAC)北京サミットでの最新の合意事項の実行を推進し、各分野で実務協力を深め、中国・アフリカ関係の持続的な踏み込んだ発展を推し進めるものとなる。戦略レベルでの今後の計画にとっても、実務レベルでの合意事項の実行にとっても、今回の訪問は中国・アフリカ双方にとって重要な意義を持つ。

中国外交部部長が年初のアフリカ訪問でどの国を訪問するのかは、かねてより外部から重点的に注目されてきた。専門家によると、今回訪れる4ヶ国はいずれも中国の友好協力パートナーで、伝統的な友好国であり、それぞれが代表的な意味を持つ国となっている。

ナミビアはアフリカ南部、コンゴ共和国とチャドはアフリカ中部に位置し、ナイジェリアは西アフリカの国だ。呉副研究員は「今回の訪問は地域的なバランスが取れており、中国アフリカ関係の包括性と総体性を示している」と指摘する。呉副研究員によると、人口2億2700万人の大国ナイジェリアと人口わずか1828万人のチャドが訪問国に含まれていることには、中国が一貫して堅持する「大国も小国も一律平等」との原則が反映されている。

国と国との付き合いにおいては、国交樹立の節目となる年に訪問をセッティングすることが特別な意義を持つことが多い。王氏による今回の訪問も、中国と訪問国との関係発展における重要な節目にあたることが注目されている。

2025年は中国とナミビアの国交樹立から35周年にあたる。ナミビアは1990年に独立した翌日に中国と国交を樹立した。中国現代国際関係研究院アフリカ研究所の黎文涛所長は「特別な節目における訪問は、中国とナミビアの関係に新たな活力を注ぎ込む一助となる。2024年にナミビアの与党は党内の権力交代を実現した。今回の訪問は、中国が両国の友好を非常に重視していることを反映している」と指摘する。

中国とコンゴ共和国との友好には長い歴史があり、両国は昨年、国交樹立60周年を迎えた。年初にあたり、両国の友好協力は次の60年間への新たな出発点を迎える。呉副研究員は、「コンゴ共和国のサス・ンゲソ大統領は、アフリカ諸国の首脳の中で中国を最も頻繁に訪問している一人であり、両国は常に互いの核心的利益や重大な懸念に関わる問題で支持し合ってきた。今回の訪問は、この伝統的な友好関係の継続に役立つだろう」と分析。さらに、「コンゴ共和国は昨年、FOCACのアフリカ側共同議長国に就任した。今回の訪問は、FOCACに関する事柄での中国とコンゴ共和国の連携の強化にも資する」と指摘する。

ナイジェリアはアフリカで重要な影響力を持つ大国であり、多くの人口と巨大な発展のポテンシャルを有する。昨年、中国とナイジェリアは両国関係を包括的な戦略的パートナーシップに格上げした。近年、両国はレッキ深海港やアブジャ都市鉄道など重点プロジェクトを実施するなど、「一帯一路」(the Belt and Road)共同建設の枠組みにおける協力を強化している。

浙江師範大学アフリカ研究院の劉鴻武院長はこれについて「中国はナイジェリアとの深い協力を、西アフリカ、さらにはアフリカ大陸全体との工業化協力につなげることを期待している」と指摘する。

チャドは伝統的な農業・畜産業国であり、後発開発途上国の1つだ。中国はすでに何年も連続で、チャドにとって最大の貿易パートナー国と投資パートナー国となってきた。黎所長は「チャドはサヘル地域に位置し、地域の安全保障情勢が悪化しているうえ、テロの脅威が存在する。今回の訪問はチャドの平和と安定を促進し、地域の長期的な平和と安定を維持するものとなる」と指摘する。

注目に値するのは、2024年が中国とアフリカの関係において一里塚的意義を持つ年であったことだ。9月に開催されたFOCAC北京サミットでは、今後3年間の中国アフリカ協力の強化に関する「中国アフリカ協力フォーラム北京行動計画(2025-27)」が採択された。計画は、今後3年間で「現代化の推進において連携する中国とアフリカの10大パートナーシップ行動」を実施し、貿易・投資、産業チェーン協力、グリーン開発など重点10分野で、アフリカの発展に包括的に活力を吹き込むことを明確にした。

劉院長は、2025年がFOCAC北京サミットの成果の実行において重要な年であることを指摘。「中国外交部部長は新年早々にアフリカを訪問し、アフリカの国々と意思を疎通し、行動計画の実施を促進し、中国がアフリカとの協力推進において最後まで有言実行であることを世界に伝える」と語る。

専門家は、中国とアフリカはクリーンエネルギー、デジタル経済、人的・文化的交流、農業の現代化など複数の分野における協力を具体化し、新たな成長源を創出する方法を検討すると予測する。

呉副研究員は「中国の外交部部長が35年続けて年初にアフリカを訪問することは、国際情勢がいかに目まぐるしく変化しようとも、中国は断固としてアフリカ諸国の信頼できる友人、誠実なパートナーになり、アフリカと手を携えて運命共同体に向かって大きく前進するということをはっきりと示すものだ」と指摘している。(編集NA)

「人民網日本語版」2025年1月6日

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