中国のチーム、環境に優しい電池用の高効率触媒を開発

人民網日本語版 2025年01月06日14:30

安徽工業大学の曾傑教授、劉明凱教授及び中国科学技術大学の李洪良准教授が協力し、環境に優しい電池である空気亜鉛電池用の高効率触媒を開発したことが4日、安徽工業大学への取材で明らかになった。未来のエネルギー分野で重要な役割を果たす見込みだ。

同成果は3日、国際的に権威ある学術誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に掲載された。安徽工業大学が主導機関。

空気亜鉛電池は単に空気電池とも呼ばれ、コンパクト・軽量で、使用温度範囲が広く、腐食性がない上、高い安全性と信頼性で作動する環境に優しい電池だが、空気亜鉛電池の正極は貴金属であるプラチナに大きく依存する。プラチナ資源が限られており、高価であるため、空気亜鉛電池の大規模な普及の妨げになっている。

そのため、プラチナに代わる優れた性能を持つ正極触媒の開発は、空気亜鉛電池分野の重要な科学的問題となっている。

曾氏が率いる共同研究開発チームは化学エッチングと窒素源固定法を創造的に組み合わせ、高純度の二原子鉄触媒を調製するとともに、隣接する2つの鉄原子間の距離の正確な調整を実現した。研究者はまた同方法を一連の非貴金属触媒に適用し、鉄、銅、コバルト、ニッケル、亜鉛、マンガンなどの複数種類の非貴金属二原子触媒の調製にも成功した。

研究者はさらに従来的なプラチナ触媒に代わり、二原子鉄触媒を空気亜鉛電池の正極に適用した。その結果、この触媒は優れた触媒作用、複雑な環境に耐える能力、長時間の安定性を示した。これを用いて組み立てた空気亜鉛電池は、平方センチメートル当たり最大190.6ミリワットの出力密度を示し、従来的なプラチナ触媒で組み立てた電池(平方センチメートル当たり151.7ミリワット)を大きく上回った。

この研究は空気亜鉛電池用の低コストで高性能な触媒の開発に新たなアプローチを提供している。(編集YF)

「人民網日本語版」2025年1月6日

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