杭州の「低空+」シーンが一新 低空生活のさまざまな可能性

人民網日本語版 2025年01月07日10:27

ドローンが熱々のミルクティーを正確に送り届け、ヘリコプターに乗って都市の年越しを上空から眺め、「雲の上で通勤」で長江デルタの距離が分刻みに短縮……。浙江省杭州市では現在、「低空経済」(低空域飛行活動による経済形態)という手が届かないように思われる概念が、知らぬ間に人々の生活に浸透している。中国新聞網が伝えた。

低空経済は国家戦略的新興産業として、都市の経済成長の新たな原動力になりつつある。杭州には現在、低空経済産業チェーン関連企業が400社近くある。物流輸送から農業植物保護、文化観光から都市通勤に至り、低空経済の応用シーンが大きなポテンシャルを示している。

「低空+文化観光」、空中文化観光の新体験を切り開く

夜になると、杭州の銭塘江の両岸がライトアップされる中、観光客はヘリに乗り、川沿いの夜景を一望している。

新年に際し、杭州市上城区は新連通航と共同で、銭塘江City Fly夜間飛行遊覧航空路線を開設した。この航空路線の名称は「銭塘盛世」で、15分の飛行で奥体博覧城、銭塘江大橋、六和塔、西湖景勝地などの象徴的な景観をカバーし、杭州の歴史と現代の活力をつないでいる。

銭塘江観光航空路線の初飛行は早くも昨年11月に完了した。現在まで400人余りの観光客が空から「銭塘盛世」を眺めている。今年の元日には多くの観光客がわざわざ他地域から駆けつけ、銭塘江City Fly年越しを体験した。

「低空+ビジネス」、空中通勤の新時代を切り開く

「低空航空路線」に加わる航空会社が増え、杭州は「区と区を結ぶ通航」から長江デルタに至る40分空中ビジネス圏を徐々に構築している。

杭州初の空中ターミナルビルが昨年12月、浜江区世茂智慧之門で正式に運用開始された。市民は「玄関先」のターミナルビルで「低空バス」を体験でき、チケット購入、保安検査、乗り降りなどのワンストップ飛行サービスを満喫できる。

ヘリなのに「低空バス」と呼ばれるのはどういうことか。航空会社「高直&傲程」の共同創業者である丁煒氏は、ヘリは空中観光路線を切り開くためではなく、多くの場合はA地点からB地点への移動用だとしている。

丁氏は、「浜江区には多くのハイテク企業があり、低空バスの潜在的な需要が非常に旺盛だ。当社はすでに杭州湘湖、銭江新城、未来科技城、さらには紹興稽山大禹陵などの異なる地域を結ぶ航空路線を開設した」と述べた。

杭州来福士広場の屋上に位置する上城区1号ターミナルビルは、華東地域初の中心市街地ビル屋上実体化運営の一般航空ターミナルビルだ。同ターミナルビルは上海、嘉興、湖州などをカバーする都市間航空路線を続々と開設し、長江デルタの低空交通ネットワークの建設を後押しする予定だ。

「低空+物流」、空中消費の新業態が充実に

元日に杭州市余杭区径山鎮小古城村を観光している袁さんは、ドローンが届けるミルクティーを受け取った。これは低空経済の一般普及のミクロな縮図だ。

中国初の「低空+高速鉄道」都市間連絡輸送シーンが昨年12月25日、杭州に登場した。血液の速達便を積んだ2機のドローンが杭州の浙江省血液センターから離陸し、中鉄快運の作業員に移送され、杭州東駅から高速列車に搭載され出発した。23分後に紹興北駅に、74分後に台州駅に到着した。速達便は駅に到着した後、さらにドローンによって紹興と台州の血液センターに移送された。

ドローン提供側の責任者は、「従来の自動車による配送と比べると、『低空+高速列車』モデルの輸送定時率は90%以上で、輸送の総合的なコストを3割以上削減する。今回の輸送を担当したドローンの飛行速度は72km/h、航続距離は30kmで、悪天候でも安定的に飛行できる」と述べた。

未来はすでに到来した。ドローンの広範な応用から一般航空の持続的な発展に至るまで、杭州は科学技術イノベーション能力及びインフラ整備により、「低空+物流」「低空+文化・スポーツ・観光」「低空+医療」「低空+旅客輸送」などの低空経済の新業態・新シーンを全面的に育成している。(編集YF)

「人民網日本語版」2025年1月7日

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