白いイチゴや干し柿に興味津々! 上海の食材市場が外国人に大人気に

人民網日本語版 2025年01月17日16:02

上海の食材市場「烏中市集(マーケット)」で、肉屋を経営して5年になる鄭さんは、「毎日、外国人がたくさん来る。24年下半期から、ここに来る外国人が急に増えた。多い時には、1日に3グループの外国人がひっきりなしにやって来る」と話す。

上海で外国人に人気の観光スポットは今、外灘(バンド)や豫園、南京東路といった定番の観光スポットにとどまらなくなっている。都市の中でも生活感あふれる食材市場「烏中市集」が、新たな人気観光スポットとなっている。

「白いイチゴなんてクレイジーだ」、「中国の柿は子供の頃食べた柿と同じ味」

1月のある日の午前、「烏中市集」を取材すると、ロシアやスペイン、ベトナムからやって来た観光客に出会った。

「烏中市集」で中国ならではの商品を探していた外国人観光客たちは、「このイチゴはなぜ白いの?」、「咸鴨蛋(アヒルの塩漬け卵)って何?」と興味津々な様子だった。そうこうしているうちに、一行は果物を次々と購入していた。

果物売り場の前で、スペイン人の男性・Andresさんは、干し柿を指さしながら、「これは何?」とツアーガイドに聞いていた。ガイドが「これは干し柿で、生柿よりも甘いし、保存できる時間も長い」と説明すると、「生柿しか食べたことがない。干し柿を見るのは初めて」とAndresさん。そして、ガイドがその横の生柿を指さしながら、「中国にも生柿がある」と説明すると、Andresさんは「中国にもあるの?スペインでは、おばあちゃんの家でしか柿を食べたことがない」と話していた。その後、Andresさんは白イチゴに興味を持ち、「イチゴがなぜ白いの?クレイジーだ」と目を丸くし、最終的に33元(1元は約21.2円)で白イチゴ1パックと生柿1パックを購入。「安い!」と喜んでいた。

Andresさんは、「スペイン人はあまり柿を食べない。でも、僕のおばあちゃんが買って食べさせてくれていた。柿を半分に切って、スプーンで食べていた。中国の柿も食べてみたい」と話し、お金を払い終わるとすぐにパックから柿を取り出して、ひとかじり。「子供の頃に食べた柿と同じ味」と喜んでいた。Andresさんは、子供の頃食べた懐かしい味を中国で味わえるとは思ってもみなかったようだ。

シベリア出身で今はスペインで暮らす女性・Valeriaさんは、「烏中市集」に入るとすぐに果物売り場に足を運んだ。そして、白イチゴを1粒味見した後、すぐに購入。慣れた手つきで、スマホでQRコードをスキャンして支払いを済ませていた。

茶葉が並ぶコーナーに来ると、Valeriaさんはガイドに、「このお茶は何?中国人はどうやってお茶を作っているの?」と聞いていた。Valeriaさんによると、「私が子供だった頃、母親が中国に来て、緑茶や紅茶、ジャスミン茶、烏龍茶など、いろんなお茶をお土産に買ってきてくれた。お茶をどうやって作っているのかにずっと興味があった」という。そして、「烏中市集」の中を一周した後、「このマーケットはとてもおもしろい。本場でしか味わえない中国独特のムードがある」と話していた。

「烏中市集」を含む「無料上海半日ツアー」が大人気に

外国人が増えているため、鄭さんは中国語と英語で「当店で商品を購入して下さった場合、電子版レシートを発行し、無料で加工します」と表示するようになった。

鄭さんは、「外国人が多いので、自分で作った。当店は豚肉、牛肉、羊肉を売っている。向かい側の乾物コーナーでは花椒、家禽類のコーナーではアヒルの舌、手作り餃子売場の水餃子などが、外国人に人気。持って帰るのに便利な果物を買う外国人が多い。ナツメを買って帰る外国人も多い」と話す。

この団体のガイド・魏利偉さんによると、このツアーは旅行会社・携程集団が乗り継ぎ目的で中国に一時入国する外国人旅行者を対象に打ち出した「上海無料半日ツアー」だという。

「上海の生活感あふれる場所に行って、市民の生活の様子を見てみたい外国人は少なくない。地図を取り出して、おすすめの食材市場と行き方を教えてほしいと話す中高年の外国人観光客もいた。自分としても、それほど人数が多くなくて、状況が許す場合は、食材市場に案内することもあった。とても好評でみんな大絶賛だったため、外国人観光客のニーズに合わせて、昨年9月から観光コースに『烏中市集』を組み込んだ」という。

携程が打ち出した「無料上海半日ツアー」は現時点で3コースあり、これまでに外国人観光客6000人以上が利用してきた。うち、約3分の1の外国人観光客が選んでいるのが「烏中市集」を含んだコースだ。特に中高年の外国人観光客に「烏中市集」が人気という。同コースの場合、朝10時ごろに浦東国際空港を出発して、「烏中市集」や「武康大楼」、「南京東路」、「外灘」などを観光する。

魏さんによると、ツアー参加者は西欧や東南アジアから来た観光客が多いという。そして、「ツアー参加者はどんどん増えている。通常は中型のバスを使っているが、乗り切れない場合もある。春節(旧正月、今年は1月29日)明けからは大型バスを導入する予定」と話していた。(編集KN)

「人民網日本語版」2025年1月17日

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