サーモンの養殖現場を訪れる
岸から約130カイリ離れた黄海に位置する青島国家深海・遠洋グリーン養殖試験エリアでこのほど、中国が独自に開発した大型深海スマート漁業養殖設備である「深藍2号」が、初のサーモンの水揚げ作業を迎えた。この養殖用ケージでは40万匹近くのサーモンが養殖されており、生存率が高く、成長も順調だ。新華社が伝えた。
山東財金万沢豊海洋科技有限公司の生産責任者である顧祺煥氏は、「サーモンの養殖環境の面で厳しい条件が求められ、適した海域を見つけ大規模養殖を行うのは非常に困難だ。しかしこの深海には13万平方キロメートルの黄海冷水塊があり、夏の水温は10℃から16℃で、サーモンの成長に非常に適している。深藍2号は夏に30メートル以下の冷水塊の位置まで沈み、冬になると再び水面に浮上する。この大自然の『贈り物』を巧みに利用し、中国の温暖な海域における冷水魚養殖のブレイクスルーを実現した」と述べた。
荒れ狂う海の上で、黄色の深藍2号はびくともしない。この高さ71.5メートル、直径70メートル、完全水没設計の養殖水域が9万立方メートルの圧倒的な存在は、中国が独自に開発した大型完全水没式深海スマート漁業養殖設備だ。自動給餌システムや水中撮影システムなど複数のスマート化養殖設備を搭載しており、深海・遠洋における無人養殖機能を実現できる。
機械の轟音の中で、サーモンの群れが次々と作業船に吸い上げられ、魚水分離装置を経て作業場に運ばれ関連処理が行われる。作業員は氷で満たされた保温箱に入れ、夜の間に陸に輸送し、加工・販売を行う。魚を吸い上げてから40匹以上のサーモンが1つ目の箱を満たすまで約20分しかかからなかった。
数10分後、作業船の甲板では10数個の保温箱がサーモンで満たされていた。顧氏は取材に、「この水揚げしたばかりのサーモンの体重は1尾平均3、4キロで、合計約5000尾を水揚げした。最速で30時間余りで中国の主要都市に届けることができる」と述べた。
深藍2号など複数のよりスマート・安全かつ効率的な海洋養殖設備・施設を利用し、「大食物観」(食料の多元化)を実践し海洋にタンパク質を求める歩みが、近海から徐々に深海・遠洋に前進している。尽きることのない海の高品質のタンパク質は中国人の日常的な食ニーズだけでなく、人々の美しい生活における美食ニーズにもなった。(編集YF)
「人民網日本語版」2025年1月17日
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