テスラの上海「メガパック」工場で生産がスタート 中国の蓄電業界への影響は?

人民網日本語版 2025年02月14日10:49

上海自由貿易区臨港新片区で完成した電気自動車(EV)メーカー・米テスラの大型商業用蓄電システム「メガパック」の工場でこのほど、生産が正式に始まった。

(画像著作権はCFP視覚中国所有のため転載禁止)

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蓄電システムは現在、テスラが非常に重視する事業となっている。蓄電システムの需要が高まるにつれて、テスラは、大型商業用蓄電システムの供給が需要に追いつかないという課題に直面していたのを背景に、上海にその生産工場が建設される運びになった。そして、着工からわずか7ヶ月で工場は完成して、今年2月から正式に生産が始まった。今年の第1四半期(1-3月)には、その生産能力は上昇カーブを描くと見られている。

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テスラはなぜ、初の「メガパック」の海外工場を中国に設置することにしたのだろうか?

同済大学機械・エネルギー工程学院の譚洪衛教授は、「蓄電市場の規模は、再生可能エネルギーによる発電の成長にある程度比例するように拡大している。初期段階と成熟段階ではその割合が異なり、現時点において蓄電は、中国の再生可能エネルギーによる発電量の2-5%を占めるようになっている。今後、バッテリーのコスト低減などが要因となり、その割合はさらに高まり、5-20%に達するだろう」と予測している。

中国の劉振民・気候変動問題担当特使は、「2024年9月末の時点で、中国の再生可能エネルギー発電が発電全体に占める割合は54.7%だった。近年、その割合は急速に高まり続けているものの、中国国内のエネルギー供給ニーズを満たすことは現時点ではできていない。エネルギー当局は、カーボンニュートラルという目標を達成しなければならず、2050年をめどに、中国の再生可能エネルギー発電が占める割合は約80%にまで高まると予想している」としている。

市場のポテンシャルが大きいほか、中国の政策サポートも、蓄電関連の企業に、積極的なシグナルを発している。例えば、上海が2024年末に発表した政策は、「2026年をめどに、新型蓄電のコア技術・設備産業チェーンを作り上げ、新型蓄電産業パークを2ヶ所打ちたて、応用規模を80万キロワットまで引き上げ、蓄電によるピークカットの初期段階の効果が表れるよう取り組む」としている。

国家電網有限公司上海市電力公司のハイレベル専門家の張宇氏は、「テスラは、コスト管理を含む、蓄電商品の業態の面で、投資家の信頼感を一層高めている。このような角度から見ると、上海の『メガパック』工場で生産が始まったことで、中国の蓄電産業の『加速ボタン』が押されることになるだろう」としている。 (編集KN)

「人民網日本語版」2025年2月14日

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