2025年「中央1号文書」発表 「農業における新たな質の生産力の発展」を初提起

人民網日本語版 2025年02月24日14:40

2025年の中央1号文書(中共中央・国務院の「千万プロジェクト」経験の学習・運用による力強く効果的な農村の全面的振興推進に関する意見」)が23日に発表された。今年の中央1号文書では「農業における新たな質の生産力の発展」が初めて打ち出された。

文書は「科学技術革新によって、先進的な生産要素の集約を先導し、地域の状況に応じて農業における新たな質の生産力を発展させる」とした。これは、現在の「三農」(農業・農村・農民)政策をしっかりと行ううえで鍵となる取り組みであり、中国が農業大国から農業強国へと邁進するうえで必須の課題でもある。

■農業における新たな質の生産力を先導するのは科学技術

昨年、中国の食糧生産量は初めて7億トンを突破し、農業の総合生産能力は不断に高まった。増産への寄与率の8割を単位面積当たり生産量の向上が占めており、これは科学技術の功績が大きい。南京農業大学の朱晶教授は、この高い水準を基礎に引き続き安定生産と増産を実現するためには、単位面積当たり生産量の向上に重点を置き、地域や作物ごとに肥沃な農地や優良品種、先進技術、現代的農機の融合を全力で推し進め、技術普及率を高め、大規模な増産につなげる必要があると指摘する。

優良品種、現代的農機、先進的技術を網羅する形で、今年の中央1号文書は「主要技術・コア技術におけるブレイクスルーの加速に照準を合わせる」「種苗産業振興アクションの踏み込んだ実施」「画期的品種の開発加速」「国産の先進的かつ実用的な農機・装備などの研究・開発・応用の加速」「スマート農業の発展の支援、人工知能(AI)・データ・低空(ドローン等)技術の応用シーンの拡大」を打ち出した。こうした的確な「テーマ提示」は、農業における新たな質の生産力の発展における突破口に狙いを定めており、その実現が喫緊の課題であることも浮き彫りにしている。

■農業における新たな質の生産力の基調は環境にやさしいこと

節水農業、旱魃対応型農業、穀物の機械収穫時の損失削減、適度な加工、科学的な保存など科学技術の発展は、農業が集約的かつ節約的な利用の面で新たなステップへと進む後押しとなる。農地の重金属汚染の原因特定と改善を強化し、食品の安全と農産物の品質の安全を根源から強化することは、より環境にやさしく、より健康な食品を我々にもたらすことにもなる。

■農業における新たな質の生産力は新たな「経済的可能性」を切り開く

産業振興は農村振興における最重要課題だ。

今年の中央1号文書は「農産物加工業のモデル転換と高度化の推進」「特色ある農業産業クラスターの形成」を掲げるとともに、農民が産業の付加価値の恩恵をより多く受けられるようにするため、「聯農帯農」(農民と連携し、農民を率いる)仕組みの整備を強調。また、農村文化と観光の深い融合を推進し、文化産業による農村振興活性化の試行事業を実施し、アグリツーリズムの特色化、高品質化、規範化を推進するとした。

農業における新たな質の生産力の発展によって、農村に新たな産業や業態が育成され、伝統的な農耕文化や美しい田園風景が農業や農村の現代化と融合し、農村がより多くの人々のレジャー観光ニーズに応え、平和で明るい農村に新たな「経済的可能性」が切り開かれることが期待される。(編集NA)

「人民網日本語版」2025年2月24日

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