新エネルギー発電がもたらす「風光明媚」な未来

人民網日本語版 2025年02月25日09:54

内蒙古(内モンゴル)自治区淖爾蘇木草原の奥深くで、「荒れ果てた山」に「太陽の花」が一面に植えられている。蘇能正鑲400メガワット(MW)風力・太陽光新エネルギープロジェクト拠点内で、高さが40階建てのビルに相当する複数の風力発電機がそびえ立ち、外部に年間200億キロワット時(kWh)以上のグリーン電力を送電している。人民網が伝えた。

同拠点の管理者は、「当拠点は分散制御電池エネルギー貯蔵技術を採用し、総設備容量は110万kW。プロジェクトが完成した後、拠点は北京・天津・河北地区に毎年22億kWhのグリーン電力を送電でき、標準石炭の消費量を80万トン効果的に減らし、二酸化硫黄や二酸化炭素(CO2)などの排出量を410万トン以上削減できる」と述べた。

中国では近年、新エネルギーが急速に発展している。国家統計局が発表したデータによると、2024年12月末現在の中国の太陽光発電設備容量は前年同期比45.2%増の約8億9000万kWで、風力発電は同18.0%増の約5億2000万kW。新エネルギー発電は約14億1000万kWで、中国全土の総電力設備容量の40%以上を占め、すでに石炭火力発電を上回っている。

重要風力発電・太陽光発電プロジェクトの発展が加速している。福建省漳浦県では、初の超大型単体容量の洋上風力発電所がすべて系統接続し、発電開始した。総設備容量は400MW。青海省瑪沁県では、黄河流域で建設中のうち標高が最高で設備容量が最大の水力発電プロジェクトの1号機が正式に系統接続し、発電開始した。その発電量は毎秒155kWhで、3人家族の半月の電力消費量に相当する。山東省東営市では、初の100万kW級洋上太陽光発電プロジェクトの発電機第1期が系統接続した。年間で標準石炭消費量を約50万トン、CO2排出量を130万トン削減する見込みだ……。

中国石油大学(北京)エネルギー経済・金融研究所の郭海濤所長は取材に対し、「低炭素化とグリーン化はエネルギー構造のトランスフォーメーションの方向性で、エネルギー構造における新エネルギーの地位が向上し続けるだろう。しかし風力や太陽光などの新エネルギーの急速な発展に伴い、その断続性、変動性、ランダム性の電力網の安全への影響がより顕在化することに注意すべきだ」と述べた。

そのため新エネルギーはしっかり発電するだけでなく、しっかり貯蔵し、しっかり活用する必要がある。

「新型エネルギー貯蔵の発展は、新エネルギーの不安定性に対応する重要な手段だ。エネルギー電力システムの調節能力、総合的な効率、安全保障能力を効果的に高める事ができる」。郭氏は、「新型エネルギー貯蔵は揚水発電以外の方法で電力を蓄え、供給する技術を指す。新型エネルギー貯蔵には設置場所の自由度が高く、建設期間が短く、急速かつ柔軟に反応でき、機能・特性が多様といった特徴があり、電力システムの電源、電力網、負荷の各部分と深く融合でき、風力や太陽光などの不安定な特徴を持つ再生可能エネルギーを効果的に新型エネルギーシステムに取り入れることができる」と説明した。

国家統計局が発表したデータによると、中国の新型エネルギー貯蔵は2024年に急速に発展する傾向を維持しており、設備容量が7000万kWを突破した。中国全土で完成・稼働した新型エネルギー貯蔵プロジェクトの累計設備容量は23年末比130%以上増の7376万kW、平均エネルギー貯蔵時間は同約0.2時間増の2.3時間。

新型エネルギー貯蔵の調節・運用能力が持続的に向上し、技術イノベーションのブレイクスルーが続いている。広州と仏山の間を流れる北江の畔には、88セットのリン酸鉄リチウムエネルギー貯蔵システムが林立している。2階建ての高さのメイン制御ビルが中央にそびえ立ち、110kWの2本の電線が鉄塔を通じ電力供給エリアとつながっている……。こうして、「都市用のモバイルバッテリー」が誕生したのだ。

「この新型エネルギー貯蔵発電所の設備容量は300MW。粤港澳大湾区(広州、仏山、肇慶、深セン、東莞、恵州、珠海、中山、江門の9市と香港、澳門<マカオ>両特別行政区によって構成される都市クラスター)に年間で4億3000万kWhのクリーン電力を提供し、同区の20万世帯の電力消費の需要を満たし、CO2排出量を30万トン削減する見込みだ」。同エネルギー貯蔵発電所のスタッフによると、発電所は現地の電力需要が少ない時間帯に、風力や太陽光などのクリーンエネルギーをフル活用し充電を行うことができる。電力消費のピーク時には貯蔵していた「グリーン電力」を各世帯に送電し、「ミリ秒級」の反応速度を実現できる。(編集YF)

「人民網日本語版」2025年2月25日

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