映画の関連グッズがビッグビジネスに
中国国産アニメーション映画「哪吒之魔童閙海(ナーザの魔童大暴れ)」の興行収入がさまざまな記録を塗り替えているのを背景に、その関連グッズも人気が沸騰している。公式グッズを販売するオンラインプラットフォームでは、ファンが殺到し、売り切れ続出といった事態まで生じている。
中国のフィギュアメーカー・泡泡瑪特(ポップマート)のショッピングサイト「天猫」の公式旗艦店を見ると、同社と「哪吒之魔童閙海」のコラボ企画となる「天生羈絆(前世からの絆)」のフィギュアが入っているブラインドボックスシリーズは、発売からわずか8日間で売上高が1千万元(1元は約20.7円)の大台を超えた。
「哪吒之魔童閙海」の関連グッズが飛ぶように売れていることから、映画の関連グッズは「ビッグビジネス」になることが見てとれる。
取材では、泡泡瑪特のほか、バンダイ、Fun Crazy、霊動創想といったメーカーも「哪吒之魔童閙海」とコラボしていることが分かった。「二次元(2D画像で描いたアニメ・漫画・ゲームなどの総称)」ファンの間で関連グッズの人気が高まっているということは、映画のキャラクターが人気を集めているだけでなく、大ヒット映画の影響力が、映画市場に留まらず、日用消費財や日用雑貨といった日常生活の分野へと拡大していることを示している。
調査会社・艾媒諮詢(iiMedia Research)の張毅最高経営責任者(CEO)は、「ブラインドボックスを含む関連グッズは、映画の要素と組み合わせることで、ファンの情緒的ニーズを正確に射貫いている。ファンたちは、グッズを通して、情緒的価値や帰属感を見出しているのだ」と分析している。
若者の間でブラインドボックスやフィギュアが人気となっているほか、「哪吒」をテーマにした児童書や幼児教育関連商品も保護者たちの間で人気となっている。あるECプラットフォームのデータによると、春節(旧正月、今年は1月29日)期間中、「哪吒」シリーズの書籍の売上高が前年同期比300%増となったほか、多くの人が幼児教育用の玩具を「新年のプレゼント」に選んだ。その他、「哪吒之魔童閙海」のトレーディングカード、バッジシリーズなども大ヒット商品となり、5年前のシリーズ第1作の「哪吒之魔童降世(ナーザの魔童降臨)」のコラボ商品である乾坤圈のブレスレットを再販してほしいという声さえ、ネットユーザーの間で上がっている。大まかな統計によると、「哪吒之魔童閙海」の公開初月、関連グッズの売上高は10億元の大台を超えた。
映画が大ヒットして、関連産業も潤うというのは決して珍しいことではない。近年、中国の映画・ドラマ、ゲームといった産業が発展するにつれて、多くの人気作品が関連グッズの開発を重視するようになっている。
例えば、2023年、「流転の地球 -太陽系脱出計画-(原題・流浪地球2)」は、関連グッズ開発のためにクラウドファンディングを実施したところ、実施開始1分で目標額の10万元に達した。また、昨年大ヒットした中国初の国産AAAゲーム「黒神話:悟空(Black Myth: Wukong)」が雑貨小売り大手「名創優品」とコラボしたテーマショップも先ごろ人気を集め、話題となった。(編集KN)
「人民網日本語版」2025年2月26日
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