中国、原子力発電の発展戦略を加速 エネルギー安全保障を強化
資料写真
国務院常務会議は27日、浙江省台州市三門県にある三門原子力発電所の3期プロジェクトを含む原子力発電プロジェクトを認可すると決定した。
「中国エネルギー報」の報道によれば、今回認可された原子力発電プロジェクト5件には10台の発電ユニットが含まれる。
安全の確保を前提として、原子力発電プロジェクトの審査認可を加速させるということは、どのようなシグナルなのだろうか。
原子力発電の優位性が明らかだからだ。
他の発電方法と比較してみると、原発ユニットは発電のための年間使用時間が7000時間以上の水準を維持しており、すべての発電方法の中でトップである上、発電プロセスで二酸化硫黄(SO2)、窒素酸化物(NOx)、煙・粉塵、二酸化炭素(CO2)が発生しない。
2024年に中国の原子力発電の発電量は4447億キロワット時(KWh)で、世界2位となり、中国国内の総発電量の4.72%を占め、CO2排出削減効果は3億3400万トンだった。
また、世界的に見ると、原子力発電の再興が多くの国の共通認識となっている。
原子力発電プロジェクト建設を積極的かつ確実に進めることは、有効な投資を拡大し、エネルギーの支援を強化し、温室効果ガスの排出を削減するための重要な措置だ。
原子力発電への投資の戦略的価値は「一石多鳥」のその効果によりよく体現されている。
原子力発電プロジェクトの建設について言えば、中国国産の100万KWクラスの第3世代原子力発電ユニット1台あたりの投資額を約200億元(1元は約19.5円)として計算すると、今回認可されたユニット10台への投資総額は2000億元を超えることになる。
このたびの認可は、税収の増加や地方経済の振興、雇用の促進、公共インフラの整備などに積極的な効果を及ぼす。
また原子力発電投資は産業チェーンに対する乗数効果が顕著だ。
現在、中国は第3世代原子力発電の総合的国産化率が90%を超えており、比較的整った原材料・主要設備・補助設備・計測制御機器の産業チェーンとこれらの生産・供給能力を構築している。
第3世代原子力発電技術の「華竜1号」の輸出を例にすると、ユニット1台に必要な関連設備は8万台(セット)以上あり、企業200社以上がこれらの製造と建設に関わり、ユニット1台ごとに300億元前後の生産高を直接生み出している。
総発電量の4.72%という割合を見ると、中国の原子力発電はまだ極めて大きな発展の可能性を有している。世界のエネルギー情勢が不安定な現在、中国が原子力発電の発展を加速させるのは、単なる技術的自信の現れにとどまらず、エネルギー自立を志向する戦略的決断でもある。(編集KS)
「人民網日本語版」2025年4月29日
注目フォトニュース
関連記事
掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。
Tel:日本(03)3449-8257 Mail:japan@people.cn