「スパイダーマン」に代わり超高層ビルを洗浄 ドローンが「高所の美容師」に

人民網日本語版 2025年04月29日10:09

地上のドローン操作員の指示のもと、洗浄装置を搭載したドローンがゆっくりと上昇し、高さ約96メートルのビルの前で安定してホバリングした。その後、ドローン下部から細かなミストが噴射され、ガラスカーテンウォールの洗浄作業を開始した。汚れは水とともに地面に流れ落ち、ガラスカーテンウォールは再び輝きを取り戻した。これは最近、山東省済南市にあるビルの前で起こったことで、ドローンはまさに「高所の美容師」となった。科技日報が伝えた。

このビルのガラスカーテンウォールの面積は2万平方メートル以上に及び、従来の「スパイダーマン」による高所作業の場合、7日間を要する見込みだった。しかし、山西浩宸低空立体交通運営有限公司(以下「山西浩宸」)が提供するドローン洗浄技術の支援により、2日もかからずに洗浄作業が完了した。山西浩宸の王海星董事長は14日取材に対し、「ドローンを使ってガラスカーテンウォールを洗浄すると、洗浄カバー率は99.8%に達し、ほぼ『死角なし』の洗浄効果を実現している」と語った。

ドローン技術と人工知能分野における技術的蓄積を活かし、2024年12月、山西浩宸は山西省初のドローンによるガラスカーテンウォール洗浄プロジェクトを開始した。「ドローン+スマート洗浄」で、従来の高所洗浄の難題に革新的な技術ソリューションを提供している。王氏は、「我々の作業の仕組みは、ドローンに高精度位置測定システム、スマート識別アルゴリズム、環境に優しい洗浄装置を統合させ、所定の位置に飛行させた後、カーテンウォールの汚れを正確に識別し、最適な圧力と角度で洗浄作業を行う」と述べた。

この方法の利点について、王氏は、「高層ビルの高さは約100メートルだが、ドローンの飛行高度は約200メートルに達するため、高層ビルの洗浄ニーズを十分に満たせる。洗浄プロセス全体で人が高所に登る必要がなく、効率が向上するだけでなく安全性も確保できる」とした。さらに、環境に優しい洗剤を使用し、従来の方法より30%の節水を実現し、グリーン消費のトレンドにも合致している。

山西浩宸はすでに40台以上の洗浄作業用ドローンを購入し、20人の専門的なドローン操作員を擁している。同社の業務は山西省から北京市、天津市、河北省、山東省などに拡大し、洗浄対象も高層ビルのガラスカーテンウォールから橋、記念碑などの高い建造物に広がっている。

「高い建造物の洗浄以外にも、太陽光パネルの洗浄、発電所や橋などの高い建造物の除塵、錆落とし、塗装、吊り上げなど、多様なシナリオでの作業に応用できる」。王氏によると、現在、市場では専門のドローン操作員が不足しており、「スパイダーマン」の経験を持つ人が専門的な訓練を受ければ、ドローンを操縦して高所作業を行うことができるという。(編集SC)

「人民網日本語版」2025年4月29日

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