中国10省市で週休2.5日制の実施を奨励 労働時間短縮は時代の流れ
最近、四川省綿陽市が4.5日制のフレキシブルな働き方を試験的に実施し、週休2.5日制を奨励することを発表すると、SNSプラットフォームでこのトピックが検索トップに踊り出た。同市商務局のスタッフによれば、関連文書には、条件を満たした地域での4.5日制のフレキシブルな働き方の実施を奨励するが、強制力のない要請であることが明記されているという。これに対して、多くのネットユーザーが「全国展開して欲しい」としている。
すでに10数省市で週休2.5日制を奨励
実は綿陽市は全国で最初に週休2.5日制の試行を打ち出した都市ではなく、これまでに河北、江西、甘粛、遼寧、安徽、陝西、福建、浙江、広東、湖北の10省と重慶市が、条件を満たした地域・機関の週休2.5日制試行を奨励する方針を明確に打ち出している。
たとえば、河北省文化・観光庁は2020年に「河北省文化・観光産業の回復と振興への指導意見」を通達し、「週休2.5日制というフレキシブルな休暇制度を推進することで、『2.5日プチ連休』ブランドを打ちたて、北京・天津で過ごす週末や小型連休・プチ連休などの市場ニーズに応えることを奨励する」とした。
フレキシブルな休暇制度を実施する地域の状況を眺めると、週休2.5日制は、1年の全ての月で実施するのではなく、多くの地域が夏季を選んで実施している。
現状では、下記のような実施状況となっている。
山西省晋中市・江西省吉安市:毎年4月1日から10月31日まで
江西省上饒市:毎年6月1日から8月31日まで
貴州省黔南布依(プイ)族苗(ミャオ)族自治州・陝西省靖辺県:毎年5月1日から10月31日まで
こうした地域では、すべての働く人が規定の期間内には、毎月2回の金曜日の午後を休日にできるようにすることが明確に要求されている。
専門家の分析「労働時間の短縮は必然的な流れだが、一気呵成のやり方は避けるべき」
全国的に4.5日制のフレキシブルな働き方を推進すべきかどうかについて、公式な見解はすでに出されている。2020年8月、人的資源・社会保障部(省)は全国人民代表大会代表の提案に回答する中で、「労働時間の標準をさらに短縮するための現実的な基盤がまだ整っていないので、企業で幅広く推進するべきではない。現行の労働時間の制度・標準は、中国の人口、雇用、経済発展レベル、国民の生活習慣などの要因を総合的に考慮して制定されたものであり、労働者が身体の健康を守る権利、休息の権利、雇用の権利の間のバランスを取ることに寄与してきた」と明確に指摘した。
西南財経大学社会発展研究院の楊海洋院長(教授)は、「労働時間の短縮は社会経済が発展し、文明が進歩した場合の必然的な流れだが、幅広く普及させるには実際の状況と結び付ける必要があり、一気呵成に事を成し遂げることは避けるべきだ」との見方を示している。
中国の某大学の社会経済政策研究機関の研究員は、「フレキシブルな働き方は趨勢ではあるが、慎重に進めなければならない。労働時間の短縮は短期的には企業のコストを引き上げ、経済生産を減少させ、労働者を雇用する機関に大きなプレッシャーとなる可能性がある。労働力の投入が減少すれば、技術が向上したとしても、生産量が減少する可能性がある。各地域は自分たちの地域の経済構造と企業の受け入れ能力を科学的に評価しなければならない。フレキシブルな働き方政策の普及はまずサービス業や知識集約型産業で試行すべきであり、製造業などの従来型産業では段階的に模索していくべきだ」と注意を促している。(編集KS)
「人民網日本語版」2025年5月28日
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