中国の海洋経済が総額10兆元を突破!発展を支える3つの要因

人民網日本語版 2025年06月18日16:19

海洋経済は国民経済の成長を牽引する重要なエンジンとなりつつある。6月8日の世界海洋デーにあたり、自然資源部(省)の発表した2024年の「中国海洋経済発展指数」は、再び過去最高を記録した。かつて限定的だった発展は、今や力強い勢いを示し、昨年の生産総額は10兆元(1元は約20.2円)の大台を突破した。中国の海洋経済が急速に台頭しているのはなぜだろうか。

総合的に見ると、重要な要因が3つある。

■海洋科学技術革新と産業革新の深い融合

海洋科学技術の水準は、海洋経済の発展の度合いを決定する。中国では海洋科学技術革新の進展に伴い、海洋関連の在来産業のデジタル化や高度化が加速し、海洋関連の新興産業も育成・拡大が続いている。

昨年の中国の海洋新興産業の生産額(付加価値ベース)は前年比で7.2%増加し、海洋製造業は同3兆2000億元で、海洋総生産額の3割以上を占めた。初のマグロ漁況スマート予測システム「海鷹AI」や、初の漁業大規模モデル「范蠡」などが相次いで登場し、多くのスマート装備によってスマート漁業が実現し、漁業資源の開発・利用の在り方が一新された。海洋分野の主要技術装備でもブレイクスルーがあり、深海掘削船「夢想号」の就航などにより、1万メートル級の海底掘削が実現。深海微生物の研究成果も相次ぎ、中国が独自開発した海洋医薬品は世界の発売済み品目の30%近くを占め、「ブルーファーマシー」の開発は目覚ましい進展を遂げた。「北東南、浅海+深遠海」から成る国家海洋総合試験場の構築が加速し、海洋関連企業の技術開発、試験、製品化、検査などを支え、海洋科学技術開発成果の事業化における「ラストワンマイル」問題が解決された。

新たな要素と原動力が駆動する形で、海洋産業は生まれ変わり、海洋経済の発展における新旧の原動力の交代が実現し、新たな質の生産力が現代的な海洋産業システムに活力を吹き込み、巨大なブルーエコノミーの潜在力を解き放っている。

■陸海の統合的計画・運用、海洋空間の管理と要素保障の強化

約300万平方キロメートルの主張海域と1万8000キロメートル余りの大陸海岸線を擁する陸海兼備の中国は、「全国国土空間計画綱要」と「海岸帯及び沿岸海域空間計画」の分類的管理を厳格に実施し、陸海の協同的で秩序ある開発・利用・保護体制の構築を急いでいる。

昨年、全国で新たに承認された海域・島嶼活用プロジェクトの件数は前年比70%増、面積は同6.9%増となり、原子力、石油・天然ガス、洋上風力発電など重要プロジェクトの海洋・島嶼活用需要を効果的に保障し、海洋資源の節約・集約利用水準は持続的に向上し、資源開発・利用能力も不断に強化された。

■海洋保護と開発のバランスを取り、海洋生態系の保護と修復を重視

海洋生態系と海洋経済は相互依存の関係にある。

中国は常に生態系優先とグリーン発展の理念を堅持し、海洋資源の開発を生態系の保護と有機的に結びつけ、人と海の調和ある共生を促進している。第14次五カ年計画期間だけでも、海岸線480キロメートルの整備・修復を完了し、沿岸湿地は330平方キロメートルを超え、マングローブ林は88平方キロメートル増加した。

また、海洋生態系の着実な保護は「海と接する空間」の質的向上、海洋観光市場の持続的活況を人々にもたらしている。これは、生態系の面で価値が高い海洋は、経済的な価値も一層高いことを改めて証明するものだ。

海洋は質の高い発展の戦略上の要地であり、発達した海洋経済は海洋強国建設の重要な支えである。(編集NA)

「人民網日本語版」2025年6月18日

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