【新職業】コーヒーを評価する「コーヒーソムリエ」
中国では現在、コーヒーが人々の生活にますます浸透している。そして、コーヒーが身近なものになるにつれて、コーヒーに対する要求も高くなり、新しい職業「コーヒーソムリエ」も誕生した。「コーヒーソムリエ」の仕事は、コーヒーのおいしさを評価するだけでなく、ランクを評定することも含まれている。中国のカフェで提供されている斬新な味わいのコーヒーの多くは、「コーヒーソムリエ」が考案したものだ。中央テレビニュースアプリが伝えた。
江蘇省崑山市のコーヒーソムリエ・耿運さんは昼になると、チームのメンバーと共に、コーヒー豆の香りをチェックし、お湯を注ぎ、スキミング、一気にコーヒーの香りを吸い込んでテイスティングするなど、新しく開発した豆の評価を行うための「カッピング評価」を行っていた。「コーヒーソムリエ」は、味をチェックする前に、嗅覚で豆の風味をチェックする。
コーヒーの評定や採点において、先入観にとらわれることがないよう、「カッピング評価」は通常、目を隠して行われ、「コーヒーソムリエ」は味覚や嗅覚など、さまざまな次元から何度も味や香りをチェックする。熟練のコーヒーソムリエは、コーヒー豆の風味に改善の余地がないかを、正確に判断することができる。できる限り客観的、かつ公正に、評価できるよう、コーヒーソムリエは普段の生活においてタバコは吸わず、酒はたしなむ程度、辛い食べ物や味の濃い食べ物、強い香りの香水は控え、味覚や臭覚が研ぎ澄まされた状態を保つよう心掛けている。
産業チェーンにおいてカギとなる役割を果たすコーヒーソムリエのサービス対象は、さまざまなステップをカバーしており、「カッピング評価」だけでなく、コーヒー生豆や焙煎など、生産の各ステップにおいて、標準化された評価を行い、市場で販売されるコーヒーが、どのロットでも同じ風味になるよう、生産企業に、的確な製造管理案を提供している。そのため新商品開発のためにコーヒーソムリエを雇うコーヒーチェーン店や個人経営のカフェもある。
耿さんはコーヒーソムリエになる前、コーヒー焙煎士だったため、コーヒー関連の仕事をして10年以上になるという。中国のコーヒー業界が急速に発展するにつれて、耿さんは同業界の前途は明るく、無限の可能性があると感じているという。
普通のバリスタと比べると、コーヒーソムリエになるためのハードルは非常に高い。資格を持つコーヒーソムリエは、国が認める機関が発行する資格証明書や豊富な経験があるほか、臭覚や味覚が敏感で、専門知識といったリテラシーも兼ね備えていなければならない。資格証明書だけを見ても、生豆のランク分け、香りの識別、味覚測定など、20項目以上の厳しいテストがある。通常、少なくとも3年以上バリスタを続けなければ、コーヒーソムリエになることはできない。中国で資格証明書を所有するコーヒーソムリエは約3000人いる。
中国最大のコーヒー生豆の集散地である崑山市にはすでに、スターバックスや瑞幸珈琲(ラッキンコーヒー)、日本の三井物産、スイスのSocfinafを含むコーヒーのリーディングカンパニー40社以上が集まっており、中国の輸入コーヒー生豆約60%がそこに集まり、そこで焙煎される生豆も60%以上となっている。つまり、中国で飲まれているコーヒーの3杯に2杯が崑山市経由という計算になる。そのため、多くの若いコーヒーソムリエも崑山市に集まるようになっている。(編集KN)
「人民網日本語版」2025年7月5日
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