世界初の2トン級eVTOLによる海上石油プラットフォームへの物資輸送飛行を実現
中国海洋石油集団有限公司(中国海油)深セン分公司が独自開発した2トン級電動垂直離着陸航空機(eVTOL)「峰飛航空凯瑞鸥」が、世界で初めて海上石油プラットフォームへの物資輸送飛行を成功させたことが3日、中国海洋石油集団有限公司(中国海油)深セン分公司への取材で分かった。この画期的な出来事は、遠洋での物資補給モデルを革新しただけでなく、中国が海上・陸上低空物流分野の応用において重要な一歩を踏み出したことも示している。中国新聞社が伝えた。
今回の試験飛行は、中国海油が中信海洋ヘリコプター股份有限公司、上海峰飛航空科技有限公司(以下「峰飛航空」)と共同で実施した。使用機材は、中国が独自開発した世界初の型式証明、製造許可証および単機耐空証明を取得した2トン級eVTOL「凯瑞鸥」だ。新鮮な果物や緊急医薬品などの物資を積載し、深センの陸上離着陸地点から離陸後、58分間にわたる海域横断飛行を行い、深セン海岸線から150キロメートル離れた恵州19-3プラットフォームに着陸し、輸送任務を無事に完了した。
8月3日、世界初の2トン級eVTOLによる海上石油プラットフォーム飛行が完了。(画像提供:中国海油深セン分公司)
中国海油深セン分公司協調部サブマネージャーの任永怡氏は、「今回の試験飛行では、革新的な航空技術、成熟した運用経験、そして実際の海上作業ニーズを深く融合させ、『研究開発+運用+シナリオ』という低空応用におけるクローズドループを形成し、海陸間の長距離低空緊急物資輸送、海上施設の巡視、漁船の妨害対策などの新たなブレークスルーを実現した。これにより、『低空経済』(低空域飛行活動による経済形態)技術が従来のエネルギー産業に与える巨大な可能性が示された」と説明。
「凯瑞鸥」は複合翼構造を採用し、航続距離200キロメートル、最高速度200km/h、積載能力400キログラム。峰飛航空の謝嘉上級副総裁は、「南中国海における高塩分・高湿度・強風という環境特性および海上プラットフォームの限られた離着陸スペースに対応するため、『凯瑞鸥』は垂直離着陸、ホバリング、長距離海上飛行といった重要試験項目を順調に完了し、大型eVTOLが海洋石油産業の作業現場における技術的な実現可能性と運航の信頼性を十分に検証した」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2025年8月4日
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