ニューロモーフィックコンピューター「悟空」誕生 アカゲザルの脳を初歩的に模倣可能
浙江大学脳機知能国家重点実験室はこのほど、最新開発の次世代ニューロモーフィックコンピューター「Darwin Monkey」(中国語名「悟空」)を発表した。これはニューロン規模が20億を超える専用のニューロモーフィックチップを基盤とした脳型コンピューターだ。光明日報が伝えた。
第3世代Darwin脳型コンピューティングチップ。
脳型コンピューティングとは、生物の神経ネットワークの作動原理をコンピューターシステムの設計に応用し、脳のように低消費電力・高並列・高効率・知能化を備えた計算システムを構築する技術だ。「悟空」は15台のブレード型ニューロモーフィック
サーバーで構成されており、それぞれのブレード型ニューロモーフィックサーバーには64個の第3世代Darwin脳型コンピューティングチップが集積されている。ニューロン数はアカゲザルの脳規模に迫り、典型的な稼働状態での消費電力は約2000ワット(W)となる。
「悟空」は現在、大規模言語モデルのDeepSeek(ディープシーク)を実行して論理推論、コンテンツ生成、数学的解法などのインテリジェントなタスクをこなせるだけでなく、線虫、ゼブラフィッシュ、マウス、そしてアカゲザルといった異なるニューロン規模の動物の脳を初歩的に模倣することができ、脳科学研究に新たな手段を提供している。
「悟空」脳型コンピューティングシステムの登場は、既存の計算シナリオに対して新たな計算パラダイムを提供し、既存のディープネットワークおよび大規模言語モデルの高エネルギー消費・高計算量の課題を解決する。また、神経科学者が脳を研究するためのシミュレーションツールとして新たな実験手段を提供し、実際の生物実験を減らしつつ脳の理解を深めることに寄与する。さらに、脳を模倣した作動機構と人間の脳を超える演算速度によって、汎用AI(AGI)の発展を推進することが期待される。(編集YF)
「人民網日本語版」2025年8月4日
注目フォトニュース
関連記事
掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。
Tel:日本(03)3449-8257 Mail:japan@people.cn