吐魯番にある総出力が最大100万kWの風力発電所 新疆
新疆維吾爾(ウイグル)自治区吐魯番(トルファン)市高昌区から車で西に向かい、ゴビ砂漠の奥地まで行くと、整然と立ち並ぶ風力タービンが目に飛び込んでくる。人民網が伝えた。
吐魯番は、夏の暑さが厳しいため「火州」と呼ばれているほか、強い風が吹く日が多いため「風庫」とも呼ばれており、風力エネルギーが豊かだ。「小草湖」と呼ばれる場所にある15キロにわたる「ウィンドウエリア」の年間平均風速は8m/s以上で、瞬間最大風速は32.7-36.9m/sに達する。総出力が最大100万kWの華能吐魯番風力発電所は同エリアに建設されている。
風力発電所の范光輝副所長によると、「通常、強風というのは25m/s以上の風を指す。当社の風力タービンは瞬間最大風速57m/sまで耐えられる。当社は強い風に耐える能力が高い風力発電ユニットを採用しており、ブレードやノーズコーン、円筒タワーといったカギとなる部品の設計を最適化することで、風力タービンが耐えられる風速が一般的なユニットより約14%向上している」という。
自然の恵みである風という資源を効率よく利用するために、風力発電所のスタッフは過酷な環境下で、わずか9ヶ月で風力タービン131台を設置し、220kV変電所1ヶ所、110kV昇圧所3ヶ所を建設したほか、10万kW/20万kW/hの蓄電システム、及び50Mvar静止型無効電力補償装置2台を設置して、最終的にグリッド接続し、送電できるようにした。
総出力が最大100万kWの華能吐魯番風力発電所(撮影・李欣洋)。
総出力が最大100万kWの華能吐魯番風力発電所のプロジェクト責任者・周建武さんは、「同プロジェクトは、吐魯番が1千万kW級の新エネルギー拠点を構築するうえで重要な役割を果たしている。フル稼働するようになると、年間発電量は最大22億kW/hに達する計画で、毎年、標準石炭の使用を71万トン、二酸化炭素の排出を191万トン削減することができるようになる。生態便益は、植樹面積5600ヘクタールに相当し、経済効果と生態便益が際立っている」と強調する。
中国で初の陸地に建設された強い風に耐える能力が高い風力発電プロジェクトである同発電所には、ハイテクがたくさん採用されている。例えば、「LiDAR測風装置」は、風の強さや方向、乱流の強さなど事前に予測し、風力エネルギーの風を捉える効率を高めている。スマートパトロールシステムは、ドロップの飛行コースモデリングを通して、ルートや風力タービンのブレードの自動パトロールだけでなく、AIによる欠陥報告生成を実現し、パトロールの効率を大幅に高めるほか、作業員の安全性をめぐるリスクも効果的に抑制している。
范副所長は、「LiDARを例にすると、最大で500メートル以上離れた場所の風を観測することができるため、風力タービンに少なくとも約30秒『反応する時間』を確保することができる」と説明する。
総出力が最大100万kWの華能吐魯番風力発電所(撮影・李欣洋)。
発電と送電が始まると、電気料金が徴収されるようになっただけでなく、現地の風力発電装置製造や運営・メンテナンスサービスなど、産業チェーンの協同発展が実現した。周さんは、「産業発展により、大量の雇用が創出され、資源の優位性を産業の原動力に確実に変換して、地方経済の持続可能な発展に新たな活力を注入している」とした。(編集KN)
「人民網日本語版」2025年8月8日
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