【新職業】農村コラボラティブエコノミーマネージャーとは?

人民網日本語版 2025年08月08日15:06

中国の人的資源・社会保障部(省)が5月に発表した17の新職業の一つで、俗に「農村CEO」とも呼ばれている「農村コラボラティブエコノミーマネージャー」になるというのが今、中国の若者が農村振興に関与するための重要なルートの一つとなっている。新華社が伝えた。

北京大学現代農学院の劉承芳教授は、「農村から出てきた優秀な若者が、生まれ故郷に貢献したいと思っているものの、有効な方法がないということが多い。農村コラボラティブエコノミーマネージャーという新職業が誕生し、農業を営んで生まれ故郷に貢献することを志す人材に、その舞台が提供されるようになっている」との見方を示す。

農村コラボラティブエコノミーマネージャーとは、大規模な新型農村集団経済を発展させるために、農村集団経済組織の委託を受け、資源業務委託、不動産賃貸、仲介サービス、経営性財産運営といった経済活動の経営・管理に携わる人を指す。

中国農業農村部(省)人的資源開発センターが最近開催した農村コラボラティブエコノミーマネージャー育成事業シンポジウムにおいて、中国社会科学院農村発展研究所の魏后凱所長は、「2023年末の時点で、中国の農村集団経済組織の数は98万、メンバーの数は9億3000万人で、資産は9兆6000億元(1元は約20.5円)に達している。これらの資産の維持、増加、効果発揮というのが、農村経営において解決を急務とする問題」と指摘する。

近年、浙江省や広東省といった省が、「農村が好きで、企画や経営、管理に長ける」専門人材を募集し、農村集団経済組織にサービスを提供して、高い経済効果と社会的効果が出ている。

同僚と一緒にライブコマースをする「農村CEO」の劉松さん(写真2列目の一番左、画像提供・新華社)。

同僚と一緒にライブコマースをする「農村CEO」の劉松さん(写真2列目の一番左、画像提供・新華社)。

上場企業の農業業務を主管した経験がある劉松さんは35歳だった2020年10月に、浙江省永安村で一人目となる「農村CEO」になった。それから数年の努力を経て、劉さんは現地の水稲産業のブランド化経営を実現。永安村の集団としての売上高は2019年の73万元から、2024年には609万元にまで増加した。

魏さんは、「中国はすでに農村経営をより重視する新たな段階に突入している。専門の経営人材は資産価値の維持・増進、ブランド価値の向上、農村機能の発掘、資源配置効率の向上、集団経済収益の増加といった面で、より重要な役割を果たすようになっている」との見方を示す。

農業農村部政策・改革司の劉涛副司長は、「農村コラボラティブエコノミーマネージャーは、農村の『人脈社会』から『契約社会』へのモデル転換を促進し、農村管理の現代化をバックアップすることができる。農村コラボラティブエコノミーマネージャーが国の新職業になり、関連の職業標準、職業トレーニング、キャリア開発、サポート政策などが徐々に整備されるようになるにつれて、法律・法規に基づいて育成事業が展開されていくだろう」との見方を示した。(編集KN)

「人民網日本語版」2025年8月8日

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