物流費対GDP比「0.1ポイント低下」から見る質の高い発展のサイン

人民網日本語版 2025年09月02日10:17

生産と消費をつなぐ物流は、国民経済の循環を円滑化する重要なセクターであり、現代的産業システムの重要な構成要素である。国家発展改革委員会が先ごろ発表した統計によれば、今年上半期(1-6月)、中国の社会物流総費用の対GDP比は14%に低下し、第1四半期(1-3月)より0.1ポイント下がった。これは、GDPを100元(1元は約20.6円)生み出すのに必要な物流コストが14元まで減少したことを意味する。

この「0.1ポイント低下」から、何が見て取れるだろうか。

■実体経済のコスト低下

0.1ポイントは一見目立たない数字だが、現在の中国経済の規模で試算すれば、半年で物流コストを1300億元以上節約したことに相当する。これは、国民経済、とりわけ実体経済の運営にかかる負担を軽減し、実質的な利益をもたらしたことになる。

より長期の時間軸で見れば、2024年の社会物流総費用の対GDP比は14.1%であり、前年比0.3ポイント低下し、物流コストを4000億元以上節約した。今年はここからさらに対GDP比が低下しており、関連施策の実効性を証明するものとなっている。

■交通網の高度化

交通網の「滞り」を取り除くため、2月には16都市で物流データのオープン連携テスト事業が始まり、資源の最適配置が促進された。「途切れ」をなくすため、3月には中国国家鉄路集団有限公司(国鉄集団)が複数の海運企業と連携して、コンテナ複合一貫輸送の「ワンオーダー制」輸送サービスを展開し、各段階のシームレスな接続を確保した。「接続点」の流れをスムーズにするため、今年に入ってから「両重」(国家重要戦略の実施と重点分野の安全能力構築)建設が着実に推し進められ、河川沿いの鉄道、空港、幹線道路網の連携が一層緊密化された。このようにして、全国統一物流大市場がより整備されたことによって、人・貨物・情報の効率的な流れが加速し、社会全体の物流コストを効果的に下げるための余地が大きく広がった。

■科学技術革新によるエンパワーメント加速

オンライン貨物輸送プラットフォームの普及・応用により、輸送の空車率が大幅に低下。自動化倉庫設備の導入加速により、作業効率が持続的に向上。無人車両やドローンの相次ぐ「現場投入」により、物流配送の網羅性や精度が不断に向上。より強力なデジタル化・スマート化の相乗効果が、物流サプライチェーンのサービス保障水準を高め、社会全体の物流コストの効果的な削減を絶えず後押ししている。

■産業融合によるプラスの効果

融合的発展は、物流コスト削減のために必要な道筋だ。社会全体の物流コストを効果的に削減するには、製造業比率の基本的安定を維持することが重要な前提条件となる。物流と産業の連動・協同によってコストを下げ、産業チェーンとサプライチェーンの融合を促進してこそ、製造業の発展をより良く支えることができる。

30の国家ロジスティクス・ハブが建設リストに組み込まれ、物流は産業チェーンに深く入り込み、サービスの能力・質をより良く高めている。工場向け宅配便の取扱量も持続的に拡大し、宅配業と製造業の連携により、新たな可能性が生まれている。交通物流と現代産業がより高水準で融合的に発展し、物流の需給は大規模なマッチングを実現し、社会全体の物流コストの効果的な削減に持続的な可能性をもたらしている。

この「0.1ポイント低下」は、現代物流システム構築の重要な着地点であるとともに、物流コスト削減の新たな出発点でもある。(編集NA)

「人民網日本語版」2025年9月2日

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