中国の社会物流コストが着実に低下、実体経済の「経絡」がより円滑に

人民網日本語版 2024年12月30日09:39

中国物流・調達連合会の責任者は先ごろ開かれた「2024年度中国物流企業家年次総会」で、中国の社会物流コストは近年、着実に低下していると指摘し、2024年の社会物流総費用の対GDP比率は約14.1%に下がり、2004年の21.3%と比べて7.2ポイントの大幅な低下になるとの見通しを示した。

物流は実体経済の「経絡」として、生産と消費、国内取引と外国貿易をつないでおり、生産促進、消費拡大、「双循環(国内と国際的な2つの循環)」の円滑化、国際競争への参加を担う現代的サービスシステムだ。各国では一般的に社会物流総費用の対GDP比率を用いて経済活動における物流コストの水準を判断する。社会全体の物流コストを下げることで、経済運営効率を効果的に高め、質の高い発展発展を後押しすることができる。近年、中国は物流のコスト低減と効率向上を推進し続け、物流の運営効率と質を高めている。中国の社会物流コストは低下傾向を維持している。2023年には、社会物流総費用の対GDP比が2012年の18%から14.4%へと低下した。

先ごろ開催された中央経済政策会議は、社会全体の物流コスト低減のための特別行動を実施する方針を示した。中国共産党第20期中央委員会第3回全体会議(三中全会)の「決定」は、流通体制の改善、IoT(モノのインターネット)の発展加速、統一的な流通ルール・基準の整備、社会全体の物流コスト低減を打ち出した。2024年11月には、中国共産党中央弁公庁と国務院弁公庁が「社会全体の物流コストの効果的な低減ための行動計画」を発表。物流分野の重要な体制・制度改革、産業チェーンとサプライチェーンの融合的発展の促進など、5つの重点任務を明確にした。これは、現代物流の質の高い発展の指導にとって重要な意義を持つ。

近年、中国の物流企業は絶えず発展し強大化している。現時点でA級物流企業は1万社を超え、海運、航空、鉄道、宅配、サプライチェーンなどの分野で世界的な一流企業や優れた企業家集団が多数出現している。経営主体は従来の輸送・倉庫サービスから現代物流への転換をほぼ完了し、サプライチェーンサービスへの高度化を加速し、産業組織を調整し、生産性サービスの不備を補うことで、産業のコア競争力を強化し続けている。

科学技術が物流の革新的な発展の促進に活力を吹き込んでいる。モバイルインターネット、ビッグデータ、クラウドコンピューティング、IoTなどの新技術が物流分野で幅広く活用されており、ネットワーク貨物運送、デジタル倉庫、非接触配送など「インターネット+」の効率的物流の新業態が次々と現れている。自動仕分けシステム、無人倉庫、無人ターミナル、無人配送車、物流ロボット、スマート宅配ボックスなどの技術装備の活用も加速している。

中国物流・調達連合会は、社会全体の物流コスト低減の鍵は、生産組織を調整して、サプライチェーン全体のコストを低減することにあると指摘する。そのためには、各地区・各部門が次の点に取り組む必要がある。▽システムの統合と連携を強化し、供給面と需要面の双方で大きな取り組みをしっかりと行う▽地域の産業配置を最適化し、物流ハブ経済を育成・発展させる▽生産性サービス業を拡大し、製造業のサービス化を促進する▽産業チェーンとサプライチェーンの深い融合とスマート化を促進し、調達、生産、販売、回収を一体化したサプライチェーンサービスシステムを構築する▽鉄道貨物輸送の市場化改革をさらに深め、道路貨物輸送市場のガバナンスと改革を推進し、現地の状況に応じて「道路から鉄道へ」「道路から水運へ」「ばら積みからコンテナへ」「水上輸送中継」を推進し、価格誘導型の輸送構造調整を進める。

現在、中国は「物流大国」から「物流強国」へと邁進する重要な段階にある。デジタル技術の力を借りて、デジタルサプライチェーンの新たな革新と変革が始まろうとしている。(編集NA)

「人民網日本語版」2024年12月30日

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