【新職業】蘭州牛肉拉麺職人 技術をマスターして生活を豊かに

人民網日本語版 2025年09月09日16:35
【新職業】蘭州牛肉拉麺職人 技術をマスターして生活を豊かに
蘭州牛肉拉麺の作り方を披露する拉麺職人(撮影・張海東)。

甘粛省蘭州市の甘粛頂楽蘭州牛肉拉麺職業訓練学校の教室に足を運ぶと、受講者がまな板の上で麺を伸ばしながら叩きつける音が響き渡っていた。講師を務める傅正さんは、中国各地から来た受講者約20人に、蘭州牛肉拉麺の作り方をレクチャーしていた。新華社が伝えた。

受講者の高磊さんは、「蘭州牛肉拉麺の製造技術は国家級無形文化遺産の代表性項目の一つ。蘭州牛肉拉麺の作り方を学ぶために蘭州に来たのは、その製作技術を学ぶほか、一人でも多くの人に、本場の味を楽しんでもらいたいと思ったから」と話していた。

甘粛頂楽蘭州牛肉拉麺職業訓練学校で蘭州牛肉拉麺の作り方を学んでいる天津から来た高さんは、1年前に、初めて本場の蘭州牛肉拉麺を食べた時に、その独特の美味しさに魅了され、遠く離れた甘粛省まで行き、職人からその技術を学びたいと考えたという。現在、1ヶ月間のトレーニングの半分が過ぎ、0から学び始めた高さんは、講師から小麦粉生地を練り、捏ねて、伸ばして麺を作り、肉を煮て、スープを作るといった、蘭州牛肉拉麺の作り方を少しずつ学んでいる。作り方をマスターした後、高さんは北京で50万元(1元は約20.7円)を投じて、蘭州牛肉拉麺店を経営する計画だという。

2012年に設立された甘粛頂楽蘭州牛肉拉麺職業訓練学校は、中国の国家専門職業能力の審査・訓練拠点の一つで、ここ約10年の間に、蘭州拉麺の職人を累計で約1万人育成してきた。

「蘭州牛肉拉麺職人」は、中国の人的資源・社会保障部(省)が今年7月に発表した42種類の新職種の一つとなっている。甘粛省職業技能鑑定指導センターの趙小莉副センター長は、「新職種に組み込まれたことで、蘭州牛肉拉麺職人に、さらにはっきりとしたキャリア開発のルートとスキル向上の方向性が提供されるようになり、職人たちの職業的帰属感と自己肯定感向上にもつながり、さらに多くの技能人材をこの業界に呼び込むことができる」との見方を示す。

甘粛頂楽蘭州牛肉拉麺職業訓練学校の講師・丁国才さんは、講師になって15年になるといい、「以前は、蘭州牛肉拉麺店で働きながら学ぶ人が多く、マスターするのに少なくとも1年以上かかっていた。一方、専門の訓練学校ができてからは、受講者は1ヶ月で、その作り方を1から10まで学ぶことができるようになった。卒業基準に達した受講者には、仕事の推薦もできる」と説明する。

丁さんのクラスで学び、米国やフランス、英国などで蘭州牛肉拉麺店を開いた受講者もいるという。また、拉麺職人を探すために、他の地域からやって来る経営者もいるほか、拉麺職人がうまく見つからなかったため、自分で受講してその作り方を学ぶことにした経営者もいるという。

趙副センター長は、「蘭州牛肉拉麺職人が新職種に組み込まれたことで、蘭州牛肉拉麺の職業技能訓練や、技能人材の評価に根拠が提供されるようになったほか、今後は産業の発展に技能人材という角度から下支えが継続的に提供され、都市部や農村部の余剰労働者力の就職・起業を力強く後押しすると期待されている」とした。(編集KN)

「人民網日本語版」2025年9月9日

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