中国-ASEAN博覧会でAIが注目の的に

人民網日本語版 2025年09月24日16:47

先ごろ閉幕した第22回中国-ASEAN博覧会(以下、「同博覧会」)では、国内外の1200点の先端人工知能(AI)製品が集中的に披露され、「このロボット犬は大きいし、直接乗ることができるなんてすごい!」や「バリスタロボットが展示されてる!見に行こう!」と来場者たちの注目を集め、会場ではAI要素が最大の見所となっていた。工人日報が伝えた。

◆「AI+」が農業の新たな質の生産力をけん引

捷佳潤科技集団股份有限公司(以下、「捷佳潤」)デジタル果樹園総経理の張興傑氏は取材に対し、「毎年同博覧会に出展している。ここは当社が世界、特にASEANに進出するための非常に理想的な場となっている。マレーシアのドリアンパークとパパイヤ農場、それからラオスのバナナ栽培拠点では、当社が研究開発した『土諦AI』システムがすでに少なからず業績を上げている」とした。

「土諦AI」のメッセージ入力欄に質問を入力すると、10秒もたたないうちに専門的な答えを得られる。ユーザーが写真を撮影もしくはアップデートすると、直ちに農作物の症状と対策を知ることができ、すぐに対処することができる。また同システムはカンボジア、ラオス、ベトナムなどの複数の国の言語をサポートしている。

「うちの農場での栽培に適した農作物は?」という質問には、「あなたの報告によると、トウモロコシ以外にも5種類あります」といったように、ユーザーが具体的な土地を指定すると、システムは具体的な地理的位置に基づき、気象・土壌・政策などの各種データを用い、栽培スマートプランを生成してくれる。

張氏が「当社のシステムは土地に『会話させる』」としているように、捷佳潤は独自に研究開発した土諦AI、AI農場天気、AI農場巡回システムなどの先端テクノロジー製品を通じて、農業の生産効率を大幅に向上させるだけでなく、資源の精密な管理とコストの効果的な抑制を実現し、作物の生産量を大幅に拡大し、品質を高めるため、農家に確かな経済効果をもたらしている。これらの製品はすでに6ヶ国で導入されている。なかでもラオスの4千ムー(1ムーは約6.7アール)に達するバナナ栽培拠点では、精密かんがいシステムの導入により50%以上の節水効果を発揮している。

捷佳潤は現在までにベトナム、マレーシア、タイなどの果樹園のスマート管理の実現を支援している。世界のサービス面積は200万ムー以上に達しており、捷佳潤の技術とサービスは、稲、ジャガイモ、柑橘類、ドラゴンフルーツ、サトウキビ、ドリアン、バナナ、ゴム、ナッツを含む60種以上の作物をカバーしている。現地の農業の産業構造を豊富にしているだけでなく、科学的な意思決定と精確な管理により化学肥料と農薬の使用を効果的に減らし、果実の商品率を高め、農業のエコバランスと食品安全を促進している。

◆AIで各業界にエンパワーメント

今年の同博覧会では初めて1万平方メートルのAI専門パビリオンを設置。100を超える中国トップ企業、ユニコーン企業、スタートアップチームが出展していた。多くのAI先端テクノロジーと、一連の新技術およびハイテク製品が登場した。そのためAI専門パビリオンは、中国−ASEAN AI協力の成果と潜在力を示す華やかな舞台となっていた。

展示ホールでは大きな白いドローンが人々の注目を集めた。これは広西北投低空経済投資有限公司が展示したドローン「天目山3号」で、世界初のトン級ハイブリッド貨物輸送ドローンだ。その周辺には各種型式のドローンがあり、「空中監督管理ブレーン」から「農村低空配達」へ、大積載量ドローンからスマート物流中枢へと応用シーンが豊富で、その「低空経済」(低空域飛行活動による経済形態)分野における確かな実力を示した。

文化・観光、物流、農業、トレーニングと、「AI+」低空経済市場が非常に大きくなっている。上海千機創新文旅科技集団の石哲元会長は、「当社はASEANの10ヶ国で事業展開している。南寧は当社にとって、ASEAN諸国に進出するための陣地だ。当社は今後もASEAN諸国の開拓を続ける」とした。

ASEAN向けの開放・協力の最前線である広西壮(チワン)族自治区南寧市は現在、同博覧会と「南寧チャンネル」を利用しAI技術輸出に広さと深みを持たせている。

情報によると、今年の同博覧会の契約式典で成立した「AI+」プロジェクトは44件で、AI基礎レベル、技術レベル、応用レベルを網羅し、製造業、サービス業、農業、文化・観光などの各業界分野が含まれていた。(編集YF)

「人民網日本語版」2025年9月24日

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