水中ロボット「極蛙」、北極での氷下探査に成功

人民網日本語版 2025年10月22日15:37

中山大学の研究チームが独自開発した二重運動モード水中ロボット「極蛙」(以下「極蛙」AUV)が、北極海科学調査において氷下潜水任務を成功裏に完了し、北極海の氷底環境の研究に重要な技術的支援を提供していることが21日、同大学への取材で分かった。科技日報が伝えた。

「極蛙」AUVは、水中遊泳とクローリングの2つの運動モードを備えており、複雑な環境下でも自在に切り替えが可能だ。水中ステレオカメラやマルチビームソナーなど多種のセンサー・イメージング装置を搭載している。2025年「中山大学極地」号による北極海科学調査では、低密集度氷域と高密集度氷域の2か所で潜水任務を遂行し、各種性能が安定して作動した。これにより操作性能が実証されるとともに、氷下の水文環境と氷体地形の総合的調査を実現した。

中山大学極地科学調査隊の陳卓奇隊長(教授)は「『極蛙』AUVが極地環境で示した安定した性能は、中国が独自開発した新型潜水艇の極限環境下での応用可能性と科学的研究価値を示すものだ」と述べた。

今回の調査では、4人の科学調査隊員が北極海の高緯度氷域で氷下作業を実施し、「極蛙」AUVを用いて氷底地形と氷下環境の同時探査を行った。中山大学リモートセンシング科学・技術学院の博士課程1年生で調査隊員の李毅博氏は、「『極蛙』AUVは従来の無人潜水艇に比べ、軽量で高い機動性を持ち、複数の運動モードといった顕著な優位性を備えており、多様な観測ニーズに対応できる」と説明した。(編集YF)

「人民網日本語版」2025年10月22日

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