【六大未来産業(5)】「進化」が加速する人型ロボット
「第15次五カ年計画(2026~30年)」提案は、「先見的に未来産業の布陣を敷き、多様な技術ルート、典型的な応用シーン、実現可能なビジネスモデル、市場規制・監督ルールを模索し、量子科学技術、バイオマニュファクチャリング、水素エネルギーと核融合エネルギー、ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)、エンボディドAI、第6世代移動通信(6G)等を新たな経済成長分野にしていく」ことを打ち出した。中国は積極的に未来産業を育成して、質の高い発展に新たな原動力を注入し続けている。このほど記者は、関連分野の研究者や企業経営者に未来産業の「現在進行形」について取材した。人民日報が伝えた。

【第5回】喩超・鹿明ロボット科技有限公司創業者/CEO
■「進化」が加速する人型ロボット
広東省深セン市の鹿明ロボット研究所では、床に倒れていた人型ロボットが、わずか1秒で「股関節」と「膝関節」を動かし、まるで鯉が勢いよく跳ねるようにパッと跳ね起き、しっかりと立ち上がる。
このロボットは身長1.6メートル、体重57キロで、重心が高いため難度もより高い。強力な「筋肉」が必要なだけでなく、制御プログラムである「大脳」と安定化・協調制御を行う「小脳」の機能の精密な協調も不可欠だ。
鹿明ロボット研究所は、瞬発力を得るために大出力・高密度の関節モジュールを独自に開発し、ミリ秒単位の運動制御プログラムと連係させるとともに、シミュレーション環境での強化学習を通じて軌道を最適化し、安定性を保っている。これらの技術が、ロボットが非常にダイナミックで瞬発力のある動作を実現するための基盤となっている。
当研究所はハードウェアとデータ取得技術を独自に開発して、絶えずハードウェアを最適化し、データコストを削減している。シーン面では、三菱電機、中遠海運などの産業パートナーと協力を深め、品質検査や物流などのシーンでエンボディドAIソリューションを共同開発し、積極的にグローバル市場を開拓している。
当研究所が拠点を置く深セン市宝安区では、「エンボディドAIポート」の形成が加速しており、技術開発から生産製造、応用シーンまでを網羅するトータルな産業チェーンが集積し、協同発展の産業エコシステムを形成している。ここには、完備され、コストパフォーマンスに優れ、対応の迅速なサプライチェーン・システムがあり、我々の製品開発と迅速なイテレーションを力強く支えている。
第15回全国運動会の聖火リレー深セン区間では、人型ロボットが100メートルのリレーを完走した。住宅地では四足歩行ロボット犬が夜間パトロールを行い、自動車の生産ラインではロボットが搬送や自律的なバッテリー交換といった作業をこなしている。豊富な応用シーンと旺盛な市場需要が、製品の研究開発から商用化までのプロセス全体を加速させている。
今年、深センは「エンボディドAIロボットの技術革新と産業発展行動計画」を打ち出し、技術革新と産業発展を促進している。多方面からの支持の下、我々の技術開発とシーン応用の深い蓄積をもってすれば、エンボディドAI分野で大いに活躍できるに違いない。(編集NA)
「人民網日本語版」2025年12月2日
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