宅配便1800億個突破! 3つのシーンに見る中国経済の新たな状況
2023年に年間1200億個の大台を初めて突破し、2024年に年間1500億個の壁を初めて越え、2025年に年間1800億個の新記録を達成。中国の宅配便取扱個数は3年連続で着実に増加し、新たな高みへと躍進し続けている。人民日報が伝えた。

■シーン1:1800億個目は学習用タブレット、無人配送モデルで宅配
11月30日、1800億個目の宅配便が、無人配送という新たな配送モデルを通じて届けられた。
今年1800億個目となった宅配便は、広東省深セン市に住む李さん(男性)が注文した学習用タブレットだった。商品はEC大手「京東」の物流子会社「京東物流」の深セン小型荷物スマート倉庫「智狼倉」から仕分け・出庫され、末端拠点に到着後、無人配送車に引き継がれ、最終的に配達員が李さんの自宅まで配達。商品の当日配達が実現した。
スマート倉庫では搬送ロボットや昇降ロボットが棚の間を行き来し、スマート仕分けセンターではAI(人工知能)識別システムが宅配便の仕分け効率を大幅に高めている。配達拠点では無人配送車と配達員が連携し、最終段階の配送時間を短縮している。
国家郵政局発展研究センター戦略計画研究部の劉江主任は、「技術革新という強靭なエンジンが、宅配便市場の有効供給に持続的な活力を注入している。今年に入り、宅配便業界は技術革新力を絶えず強化し、物流のコスト削減と品質向上、効率化を強力に後押ししている」と述べた。
■シーン2:古い家具の買い換えがスピーディに
今年の「ダブル11」(11月11日のネット通販イベント)でも、買い替え需要は衰えなかった。山東省臨沂市の王さん(女性)は、買い替え補助金を活用して家具一式を注文。配達員が指定時間通りに到着して、配送と設置が一体化したサービスを行い、全工程は1時間足らずで完了した。
消費財買い替え政策の強化・拡大によって、買い替え需要が力強く喚起され、宅配便の取扱個数を大きく押し上げた。今年1~10月、物流大手・順豊の家具や家電など大型宅配便の取扱個数は約30%増となった。
劉主任によると、「マクロ政策が宅配便市場の継続的な拡大に強い原動力を与えている。今年に入り、中国は内需拡大・消費促進政策を強化し続け、郵政・宅配便業界の一体化サービスシステムが、生産と消費を結びつける重要な紐帯となっている」という。
■シーン3:リンゴの産地からの出荷が便利に
注文確認、梱包、出荷。陝西省の果臻美公司のリンゴ畑にある倉庫では、「洛川リンゴ」が次々と箱詰めされ、ラベルが貼られている。
果臻美のネット通販担当者は、「倉庫に常駐する宅配便業者がすぐに集荷に来てくれるおかげで、当日中に発送できる。ちょうど今がリンゴの出荷シーズンで、毎日約10万件が各地に発送されている」と語った。
これは陝西省に限った話ではない。宅配便の「農村進出」が加速し、農村の潜在的な消費力を引き出す後押しをしている。今年1~10月、中通快遞が農村地域で取り扱った荷物は129億件を超え、全国の郷・鎮の96%以上をカバー。このうち農産物の「上り(農村から都市への出荷)」宅配便取扱個数は21.5%増となった。
劉主任は、「地域が協調する配送ネットワークが、宅配便市場の均衡ある発展を体系的に支えている。各地へと運ばれる宅配便は、生産と消費の両端を正確に結びつけるだけでなく、資源要素の地域を超えた円滑な流動を力強く促進し、全国統一大市場の構築における不可欠な力となっている」とした。(編集NA)
「人民網日本語版」2025年12月3日
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