忘れてはならない記憶

人民網日本語版 2025年12月13日08:43

国家追悼日にあたり、犠牲となった同胞を追悼する。

12回目となる国家追悼記念日を前にして、南京大虐殺犠牲者の家族らによる追悼式が行われた。

96歳の夏淑琴さんは、孫娘の夏媛さんらに支えられながら、ゆっくりと歩みを進め、「侵華日軍南京大虐殺遇難同胞紀念館」の「嘆きの壁」の前に立った。夏淑琴さんは壁に刻まれた身内の名前をじっと見つめ、長い間沈黙した後、深々と頭を下げ、「88年、もう88年になる……」とつぶやいた。

孫娘の夏媛さんは、「祖母は亡くなった家族に、また会いに来たと伝えているのです」と話した。

11年前の12月13日、夏淑琴さんは南京大虐殺生存者の代表として招待され、初の国家追悼式典に出席した。習近平総書記は夏さんを支えながら一緒に追悼台に上がり、国家追悼鼎の除幕を行った。

2014年12月13日、南京大虐殺犠牲者国家追悼式典に出席し、重要談話を発表する習近平総書記(撮影・李学仁)

2014年12月13日、南京大虐殺犠牲者国家追悼式典に出席し、重要談話を発表する習近平総書記(撮影・李学仁)

追悼式典終了後、習総書記は侵華日軍南京大虐殺遇難同胞紀念館を訪れ、展示を見学した。当初は、時間が限られていることを考慮して、生存者の夏淑琴さんと抗日戦争に参加した元軍人代表の李高山さんのみが習総書記と交流する予定だった。しかし、習総書記はこの間の歴史と生存者に特に関心を寄せ、次々と質問を投げかけ、20人の生存者と遺族代表と一人一人握手を交わし、それぞれに言葉をかけた。そのため、見学と面会の時間は当初予定していた45分から72分に延長された。

「今では、南京大虐殺の被害者と体験者は100人余りしか生き残っていない。皆さんはあの重要な歴史を目の当たりにした。このような苦難の歴史を決して忘れてはならない」。習総書記はこう語りかけ、お年寄りに対してくれぐれも体を大切にするよう何度も言葉をかけ、自らの体験を通じて次の世代を教育してほしいと伝え、苦難の歴史を忘れないことこそが、平和を大切にし、守ることにつながると強調した。

2017年12月13日、南京大虐殺生存者代表と中国人民抗日戦争の勝利に貢献した外国人の親族代表と面会した習近平総書記(撮影・鞠鵬)

2017年12月13日、南京大虐殺生存者代表と中国人民抗日戦争の勝利に貢献した外国人の親族代表と面会した習近平総書記(撮影・鞠鵬)

3年後、習総書記は再び南京を訪れた。

「南京大虐殺史実展」を見学した際、習総書記は多くの質問を投げかけ、その質問内容は細部にわたっていただけでなく、専門的でもあった。生存者の写真が飾られた壁では、2枚の写真を照らす照明が落とされた。それはこの2人の生存者が亡くなったことを意味していた。習総書記は生存者が何人いるかを尋ね、存命している生存者が100人に満たないことを知ると、存命中の生存者たちを大切にケアするよう指示した。

展示を見学した後、夏淑琴さんを見かけると、習総書記は夏さんの手を握り、その健康と長寿を願った。

今を顧みて昔を振り返り、警鐘を常に鳴らし続けなければならない。

「歴史を忘れることは裏切りを意味する」「いかなる者が南京大虐殺の惨劇という事実を否定しようとしても、その声に歴史が応えることはなく、30万の無辜の犠牲者の魂が応えることはなく、13億の中国人民が応えることはなく、世界の平和と正義を愛するすべての人々が応えることはない」。習総書記はこの力強い言葉で、中国人民が歴史を銘記する揺るぎない立場を宣言した。

歴史を銘記するのは、私たちが経験した苦難と民族の痛みのためだけでなく、絶えることのない精神と絶えず生まれ出る希望のためである。南京大虐殺犠牲者国家追悼鼎に刻まれた力強い銘文が示すように……。

「永遠に忘れないことを誓い、平和を祈願する。中華の夢を叶え、民族を復興させる」。

国家追悼鼎:高さ1.65メートル、重量2014キログラム、三足円形銅鼎。(2014年撮影・王初)

国家追悼鼎:高さ1.65メートル、重量2014キログラム、三足円形銅鼎。(2014年撮影・王初)

(編集AK)

「人民網日本語版」2025年12月13日

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