恩返しのストーリーが復讐劇に?AIによるリメイク動画が中国で話題に

人民網日本語版 2026年03月25日13:32

全身白の服を着た女性が家を訪ねて来て、「この間、雪山でキツネを助けたわよね?」と聞かれた男性が、「狐の精の恩返しだ!」と心の中で喜んでいると、なんとその女性は「私はあなたがキツネにあげた鴨料理の鴨よ!」と冷たく言い放った。そんな人工知能(AI)で生成された香港特区の映画会社「ショウ・ブラザーズ」風の武侠動画がここ数日、中国のソーシャルメディアで話題をさらっている。中国新聞網が伝えた。

これらの作品は、「狐の精が恩返しにやって来る」というお決まりのパターンではなく、これまでならば「わき役」でしかなかったキツネにあげた鴨料理の「醤板鴨」や鶏、薪などが人間の姿になって、復讐するためにやって来るという意外なストーリー展開となっている。

(動画のスクリーンショット)

(動画のスクリーンショット)

こうした「復讐の連続」という普通とは真逆のパターンが、ネットユーザーの笑いのツボにはまっている。そして、「核爆弾の復讐」や「豆汁(緑豆を原料にして、でんぷんを取り除いた上澄み液を発酵させたもの)の復讐」、「細菌の復讐」といった、さまざまなバージョンが次々とアップされ、あるプラットフォームでは関連動画の再生回数が10億回を超えている。

このような動画が盛り上がりを見せている背景には、AI技術が進歩して、動画を制作するハードルが低くなっていることが挙げられる。動画の多くは、20世紀に「ショウ・ブラザーズ」が制作した武侠作品の世界を再現しており、くすみがかった画面の色合いは、全体的に地味な雰囲気を醸し出しているものの、武侠作品独特のムードたっぷりで、AIが簡単にマスターできる「視覚の公式」となっている。

広西社会科学院・社会学研究所の姚華所長は、「『白狐の恩返し』を『鴨の復讐』に変えてしまう若者は、型破りな発想で、定番のストーリーを解釈し、発言権を主役から奪って、わき役たちにスポットライトを当てている。鴨料理の鴨でも、登場して『復讐』する権利を得ている」との見方を示し、「こうしたユーモアや破天荒な発想は、若者が自分の気持ちを表現する手段にもなっている」と指摘している。

また、「AIを使った、リメイク版制作ラッシュにおいて、ユーザーは、受動的に物語を見る消費者から、物語のクリエイターに変わっている」という声もある。一般の人が、物語はどのように構成されているのか、お決まりのパターンが笑いのツボにはまるのはなぜかに注目するようになると、世の中の「笑い」はさらにレベルアップしていく。物語のロジックや認知の次元が変化しているのは、AI技術がもたらした視点の変化の結果だ。「次にやって来るのは誰なのか?」という質問の回答権は、全てのネットユーザーの手中にある。(編集KN)

「人民網日本語版」2026年3月25日

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