水害対策当局が自作のミニプログラムで機動力アップ 北京市密雲区
出水期を迎えている北京市では今年、水害対策用の微信(WeChat)ミニプログラム「叫応」が活躍している。これを使えば、避難状況を手でノートに記録する必要も、何度も電話をかけて確認する必要もなく、避難の必要がある世帯と人数が一目瞭然だ。北京市密雲区では、このプログラムのおかげで町村の水害対策の負担が軽減しているほか、効率も高まっている。このミニプログラム導入後、実際の通話は数万分減ったという。人民網が伝えた。
このミニプログラムを開発したのは、北京市計画・自然資源委員会密雲分局の謝隕石副局長だ。開発理由について謝副局長は、「現場で実際に水害対策を取り組んでいる防災担当者がスムーズに仕事ができるようにするため」と説明する。
北京市北東部に位置する密雲区は、土砂災害の潜在的なリスクのある場所が2000ヶ所以上あり、出水期に入って大雨が続くと土砂災害が起きやすい。謝副局長は、「毎年、出水期に土砂災害気象リスク警報が発令されると、20人以上で対応している。夜中でも一軒ずつ電話で確認することもある。そして、誰が避難したか、誰がまだ避難できていないかなどを、ノートに記録して報告しなければならなかった」と説明する。
謝副局長はコンピューターが趣味で、仕事の合間を見つけて、プログラミングを勉強している。今年、出水期に入る前に、謝副局長はその趣味を活かして、汎用ツールや大規模AIモデルなどを使い、1ヶ月で「叫応」を開発した。

ミニプログラムで共有された水害対策情報をパソコン上でチェックする謝隕石副局長。
謝副局長は、「コード生成用大規模言語モデルは年間有料プランを使った。このミニプログラム開発のために累計で約10億トークンを消費した。計算してみると、開発コストは30元(1元は約24.0円)足らずだった」と話す。
このミニプログラムのシステムには、密雲区全域の土砂災害潜在リスクポイントや被災する恐れのある住民などの情報が全て記録されている。また、降雨状況の変化や土砂災害警報、被災者の避難状況などの情報をリアルタイムで更新することができる。
実際に水害対策にあたるスタッフらは、スマホの微信ミニプログラムやパソコンのウェブページなどを使って、連携して作業することができる。第一線で作業にあたるスタッフは、スマホを通してどこに土砂災害の潜在リスクがあるか、どの家の何人くらいが避難しなければならないかといった情報を一目で確認できる。また、ワンタップするだけでナビゲーションが作動し、潜在リスクポイントまで行くこともできる。
さらに、既に避難した被災者の状況報告も、指でタップしてミニプログラムを操作するだけで行うことができ、何度も電話をかけて確認する必要はなくなった。1分1秒を争う水害対策において、デジタル・スマート化された仕組みが警報発令や避難の効率を高めている。(編集KN)
「人民網日本語版」2026年7月17日
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