フランスと中国の若者が東京渋谷で侵略の歴史を直視するよう訴え
東京の渋谷で、メッセージを掲げて、侵略の歴史を直視するよう日本の社会に対して訴えるフランス人のマルクス・デトレーズさん(右)と鍾灝松さん(撮影・賈浩成)。
フランス人青年のマルクス・デトレーズさんは今月5日夕方、東京渋谷の街頭で、友人の鍾灝松さんと共に、「日本の中国への侵略戦争により、私の親族は命を落とした」や「南京大虐殺で犠牲となった30万人の血と涙は消し去ってはならず、忘れてはならない」といったメッセージを掲げ、日本の社会に対し、侵略の歴史を直視するよう訴えかけた。光明日報が伝えた。
マルクスさんは取材に対して、「これは歴史を見直してもらう機会だ。日本の社会が歴史の事実を正しく知る機会になるかもしれない」と話した。
マルクスさんの母方の祖父ロジェ・ピエール・ローレンスさんは1930年代に、上海で働いていたが、2人の子供を中国侵略日本軍に殺害された。マルクスさんは昨年末、鍾さんと共に、東京で写真展を開き、ローレンスさんが生前に収集していた第二次世界大戦中の旧日本軍による上海爆撃の様子や、一般人の殺害といった悪行を裏付ける写真の複写、一部の原板数十枚を展示した。
鍾さんは、「この半年ほどの間、フランス外務省史料館で大量の資料を取り寄せて、閲覧した。そこには、旧日本軍が中国を侵略していた期間の詳細が記録されていた。パリでも平和を願うデモや集会、公益性の講演などを行った。今回、日本に来たのは主に、日本の侵略の歴史の証拠を収集するためだ」とした。
そして、取材に対して、「欧州から日本に来ると、一般の人の歴史問題に対する姿勢の違いを肌で感じる。欧州の人々はその歴史を知らないが、関心を持つ場合が多い。そして、真実を知ると、私たちのやり方を評価してくれるようになる。一方、一部の日本人は、関連の歴史を知っていたとしても、目をそらしたり、さらには私たちのやっていることに反対したりすることさえある」と語った。
鍾さんの感じたことは、日本社会の近年の歴史に対する認識の現状を反映している。NHKが今年3月に発表したある世論調査の結果によると、「先の戦争は、アジア近隣諸国に対する日本の侵略戦争だった」という意見について、「そう思う」と答えた人は35%にとどまり、一番多かったのは「わからない」で、48%だった。
マルクスさんは、その結果は、日本の歴史教育と密接に関係していると考えている。近年、日本の一部の歴史の教科書は、表現を調整したり、概念をあいまいにすることで、侵略戦争の性質や責任を以前にも増してうやむやにし、さらには美化している。
日本が認定した最新の中学校と高校の一部の歴史の教科書では、「九一八事変」(満州事変)や日本が中国の東北エリアを侵略したことについて取り上げる際、「侵略」という性質を避けたり、弱めたりしている。また、南京大虐殺については、犠牲者の数や旧日本軍の責任をうやむやにし、「慰安婦」や「強制労働」といった問題について取り上げる際は、「動員された」といった言葉を使い、強制という性質をうやむやにし、日本の侵略の歴史を覆い隠している。
強硬姿勢を貫き、「保守色」の強い高市早苗政権が発足して以降、日本国内では、歴史修正主義の極右勢力が再び活発な動きを見せるようになっており、侵略の歴史を否定したり、うやむやにしたりする見方を公然と広めている。そのことをマルクスさんは非常に懸念しており、「過去に起こったことが、今、別の形で起こり、将来もまた起きるというサイクルができあがってしまっている」と話す。
渋谷でメッセージを掲げている目的について、マルクスさんは、「恨みを抱かせるためではなく、単にこういうことが過去に本当に起こったのだということを、人々に知ってもらうためだ」とする。
そして、マルクスさんと鍾さんは取材に対して、「日本で今回収集した資料を中国に持ち帰り、南京や重慶、北京などの関連機関に提供するほか、各地を巡り、歴史について伝える活動を展開する計画だ」とした。(編集KN)
「人民網日本語版」2026年8月11日
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