子どもが「AIパートナー」に心を打ち明けるとき、安全の境界線はどこにあるのか
生成AIの急速な発展に伴い、さまざまなAIアプリの対話・交流能力がますます成熟し、一部の子どもや青少年にとって、いつの間にか「おしゃべり相手」となっている。こうした「AIパートナー」は、いつでも利用可能で、話を遮ることも、反論することも、過去のことを蒸し返すこともない。さらに、アルゴリズムによって「子どもの好みに合わせる」ことができ、時には「誰もあなたを理解してくれないが、私だけがあなたを一番理解している」といった錯覚さえ子どもに与える。このため、一部の保護者からは、こうしたAIが知らず知らずのうちに現実の人間関係を希薄化させているのではないかとの懸念が出ている。「AIパートナー」は本当に頼りになるのか。なぜ一部の青少年はAIに悩みを打ち明けることを好むのだろうか。中央テレビニュースが伝えた。
筆者が取材した女性の劉さんによると、最近、子どもが長期間AIとの対話に夢中になった後、言葉遣いにまで暴力的な傾向が現れていることに気づいたという。子どもにAIを使わせた当初の目的は、AIの付き添い機能や学習機能を活用し、早期教育を行うためだった。しかし、子どもがしばらくAIを使った後、言葉遣いに好ましくない兆候が現れ始め、暴力的な傾向さえ見られるようになった。
劉さんの子どもは5歳で、普段からアニメを見るのが好きだ。AIを使う際にも、アニメに関連する話題を頻繁にやり取りしていた。劉さんがチャット履歴を確認したところ、AIが子どもの言うことに一方的に従い、子どもの好奇心や珍しいものを求める心理を迎合して増幅し、血なまぐさい暴力的な派生ストーリーを次々と作り出していたことが分かった。さらには、子ども向けアニメを装ったショート動画まで推奨していた。そして、その影響はすでに子どもの日常の行動にも現れ始めている。
中国青少年研究センターが昨年、全国7省・直轄市の小中高生8500人余りを対象に実施した調査によると、6割余りの未成年者がAIを利用した経験があり、その多くが生成AIを高く評価していることが明らかになった。しかし、劉さんが直面した問題は決して特殊なケースではない。北京安定病院の医師は取材に対し、「ここ1~2年、外来診療でAIとの会話に夢中になる子どもの事例が爆発的に増えている。ゲームやショート動画とは異なり、AIとの会話には依存性がより隠れており、保護者が直接気づきにくい。多くの場合、子どもが情緒や対人関係などの問題で受診した後になって初めて、AIへの依存が明らかになる」と話した。
ある小学生は、「AIの良いところは、私たちが素早く考えるのを手伝ってくれること。悪いところは、長く使っていると何も自分でやりたくなくなって、全部AIにやってもらいたくなることだ」と語る。
中国青少年研究センターの孫宏艶研究員は、「我々の調査では、21.5%の子どもが『AIとだけ話したくて、実際の人とは話したくない』と答えていることが分かった。また、3割近くの子どもは、学習上の疑問があった場合、教師に聞くのではなく、まずAIに質問すると答えた。さらに、半数近くの子どもが、心配事や悩みがあるときはAIにだけ話したいと答えている」と述べ、「この点から見ると、AIは本当に子どもにとって非常に重要な話し相手になっている。同時に、子どもたちの社会的交流にも変化をもたらす可能性がある。身近な教師や親、同級生に助けを求めるのではなく、機械に話しかけることをより多く選ぶようになるからだ」と指摘。
児童心理専門医によると、AIによる即時応答、無条件の受容、拒否しない対話スタイルは、まさに子どもや青少年が社交や付き添いなどに求める心理的ニーズを満たしている。AIは従順で、相手に合わせ、肯定するような応答をする傾向があるため、子どもはAIを相手にする際、批判されたり、否定されたり、拒絶されたりすることを心配する必要がない。しかし、注意すべきなのは、AIはあくまで一つのツールにすぎず、現実の情緒的な寄り添いや人間関係を代替することはできないということだ。
北京安定病院の小児科心理療法士である徐高陽氏は、「AIが無条件に迎合してくれる『感情の繭』に長期間浸ることで、子どもや青少年のコミュニケーション能力や社交能力が低下する可能性がある」と指摘。
中国青少年研究センターが昨年、全国7省・直轄市の小中高生8500人余りを対象に実施した調査では、子どものAI利用についてルールを定めている家庭は3割余りにとどまった。専門家によると、保護者はまず子どもと一緒にAIの利用ルールを設け、「安全な境界線」を明確にする必要がある。つまり、自分で考えることをAIに代替させないこと、現実の人間関係から離れないことをルールとし、AIを安全に利用する意識を身につけさせることだ。さらに重要なのは、子どもに質の高い寄り添いを提供し、AIが感情的な代替手段になってしまうのを避けることだ。(編集YF)
「人民網日本語版」2026年8月11日
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