中米チームが開発した新型グラフェンフィルム、効率的に浄水

人民網日本語版 2019年06月20日14:18

中国と米国の科学研究者は最新の米サイエンス誌に掲載した論文の中で、グラフェンなどの材料を使い開発した超薄型・高強度フィルムを紹介した。それを使うと、効率的に水中の塩イオンと有機汚染物質を分離することができる。水の浄化、化学工業の原材料の分離・純化などに用いられる見通しだ。新華網が伝えた。

中国武漢大学の袁荃氏のチーム、米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校の段鑲鋒氏のチームが協力し、優れた機械的性質と多孔質構造を持つカーボンナノチューブフィルムをグラフェンフィルムの機械サポート層とすることで、グラフェンフィルムを多くのミクロなエリアに分割し、建築物「ウォーターキューブ」の表面、木の葉、昆虫の羽に似た構造を形成した。

論文の連絡著者である袁氏は取材に対して、「グラフェンフィルム内部に欠陥・割れ目が存在したり外部からの破壊を受けた場合、カーボンナノチューブネットワーク構造がその広がりを妨げ、狭い範囲内に収める」と述べた。

研究によると、この「グラフェンナノふるい/カーボンナノチューブ複合フィルム」と呼ばれる材料の口径は約0.6ナノメートルで、水分子のサイズ(約0.3ナノメートル)を上回るが、金属塩イオンのサイズ(水和ナトリウムイオンは約0.7ナノメートル)を下回る。そのため水分子と塩イオンを効果的に分離し、ナトリウム、カリウム、マグネシウムなどの金属塩イオンを85%以上、水溶液中の有機汚染物質分子を99%も遮断することができる。

このフィルムは浸透率が高く、1平方センチメートルのフィルムは一定の圧力を受けながら毎分1ミリリットルの純水を生成できる。これは従来の類似するフィルムの10−100倍の量だ。機械的性質もよく、曲げられながらも整った構造と水の浸透率を維持できる。

論文の筆頭著者である武漢大学の研究者楊雁氷氏は「同研究は二次元材料の分離分野における実際の応用の限界を克服し、高効率選択性分離に向かう扉を開いた」と述べた。(編集YF)

「人民網日本語版」2019年6月20日

  

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