日本はついに飛び立つ雁からも羽をむしり取るような新税をスタートさせた。日本の共同通信社の報道によると、今年1月7日から日本政府は出国する人から1人あたり1千円の「国際観光旅客税」の徴収をスタートし、この税金は略称で「出国税」と呼ばれている。経済成長の原動力に乏しい日本にとってこうした国民から税金を搾り取る手段はしばしば用いられており、今年は消費税率も10%に上がることから、短期的にみれば税収は増え、財政収入に目立った効果があることは確かだが、長期的にみれば税負担の増加はこの世界3位のエコノミーにとって重い足かせになる可能性もある。北京商報が伝えた。
出国税は500億円の税収をもたらすため、日本政府はさまざまな批判を受けながらもこの新税を打ち出した。昨年4月、日本の国会では「国際観光旅客税法案」が参院本会議で可決、成立した。日本政府は、この新税により毎年約500億円の税収が生まれると見込んでいる。同法案に基づき、19年1月7日より、日本を出国する人は、2歳以上で入国から24時間以上経っていれば、国籍に関係なく1人あたり一律1千円の「国際観光旅客税」を支払わなければならなくなった。
新税は1992年に施行された地価税に続いて日本が新たに設けた恒久的に徴収する国税となる。規定によると、徴収方法は1千円を個別に徴収するのではなく、航空会社や船舶会社が航空券価格や船舶のチケット代金に上乗せして代理徴収する形を取る。
1千円は決して高いとは言えないものの、塵も積もれば山となり、その税収は相当な額に達するため、日本政府は東京五輪の準備に充てようとそろばんをはじいている。日本経済新聞の中国語版サイトの報道によると、日本政府は17年夏から観光財源を確保するための税制の検討をスタートし、東京五輪・パラリンピックが開催される20年まで、毎年受け入れる訪日観光客は4千万人に達すると予想されていることから、観光資源の整備と空港の保安体制の強化が必要になっている。
こうして出国税が誕生した。日本政府の説明によると、新たに得られた税収は出入国手続きの簡素化に充てられ、具体的には空港の出入国審査における顔認証システムの導入加速や国立公園などの観光資源の強化などに利用されるという。しかしこうした政府の説明に国民は納得しているわけではない。SNSでは日本の人々が、「東京五輪の財源が足りないから、形を変えて税金を徴収するだけだろう」といった声が上がっており、出国税に関わる議論も噴出している。
税負担が日本国民にのしかかる重荷であることは間違いない。現在の日本は「全面的増税」の段階にある。18年から、日本では個人の税負担がますます重くなっている。18年10月には8年ぶりにたばこ税が増税され、紙巻きたばこの税額は4年かけて1本あたり3円増額される。19年10月からは消費税率が10%に引き上げられ、増税分は高齢化で増え続けている社会保障支出や保健医療支出に充てられる。
こうした増税により相当の収入が見込まれるのは確かだ。たばこ税の一連の調整が終わると、増税分は約2400億円に達する見込みだ。日本銀行(中央銀行)の試算では、消費税率を2%引き上げると財政収入が約5億6千万円増加するという。
日本の安倍晋三首相は年頭所感において、「地方の税収は過去最高となった」と述べ、また「本年は、最大の課題である、少子高齢化の壁に本腰を入れて立ち向かう」とした。高齢化は日本の財政における難題で、医療費や年金を必要とする高齢者はますます増加の一途をたどっており、これを支える頼みの労働力は減少し続けている。
日本経済の長期にわたる景気回復の中で、高齢化と人手不足は決してよいこととはいえない。18年第3四半期に、日本の国内総生産(GDP)は前年同期比2.5%減少し、前期比では0.6%減少し、予想を下回った。このうち資本的支出は前期比2.8%減少した。オックスフォード・エコノミクスの研究者ステファン・アングリックさんは、「これは企業の投資周期がピークを迎えたことを暗示しているのかもしれない」との見方を示す。また日本の18年10月の世帯消費支出は2ヶ月連続の減少となり、実質賃金は3ヶ月連続のマイナス成長になった。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年1月8日
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