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世界最大規模のEU・日本経済連携協定が2月に発効

人民網日本語版 2019年01月16日09:58

日本と欧州連合(EU)が2018年末に調印した「EU・日本経済連携協定」(欧日EPA)が2月1日に正式に発効する。協定の内容に基づき、EUは日本からの輸入製品の99%に対する関税を撤廃し、日本製自動車への10%の関税と自動車部品への3%の関税を8年かけて撤廃する。EUが日本車に市場を開放するのと引き替えに、日本はEU産農産物に対する貿易障壁を段階的に撤廃し、EU製品の94%に対する関税も撤廃し、これには農産品と水産品の82%が含まれる。また今後数年でこの割合を99%まで引き上げる予定だ。EUと日本の国内総生産(GDP)を合わせると世界経済の総量の約30%を占め、今回の協定は世界でもこれまでで最大規模の経済協定になる。「国際商報」が伝えた。

EUと日本は13年という早い時期に自由貿易協定(FTA)の交渉をスタートさせたが、食品や自動車の輸出をめぐり、長い間、両者の大きな溝は埋まらなかった。転換点は18年に米国がEUと日本にそれぞれ貿易戦争をしかけたことだ。EUと日本は現実を冷静に見つめ直し、手を取り合って難局を乗り切る方針に転じた。

米国は18年3月に貿易戦争を発動し、EUと日本の鉄鋼・アルミニウム製品にそれぞれ追加関税を課したほか、双方からの輸入自動車への追加関税も検討していると脅した。米国が親密な関係にある盟友に棍棒を振り回すなど、EUにも日本にも思いも寄らないことだった。EUと日本は米国との貿易で黒字の状態が続いており、世界最大のバイヤーである米国が本当に追加関税を発動すれば、EU・日本製品の輸出が減少し、双方の経済発展に深刻なマイナスをもたらすことになる。驚いて目が覚めたEUと日本は、FTAの検討を急ぎ、米国発の貿易戦争がそれぞれの経済に与えるマイナス影響を軽減しようと考えた。こうして18年7月17日、EUと日本は欧日EPA協定に正式に調印し、12月8日には日本の参議院本会議で日欧EPA承認案が可決され、12月20日にはEU理事会でも承認された。米国がグローバル化に逆行してしかけた貿易戦争が、欧日の経済連携を加速させたといえる。

各国の経済貿易往来は実質的には優位にある産業の相互補完だ。日本車は世界的に高い競争力を備えた日本の優勢産業であり、例えばトヨタ自動車は世界一の販売量を誇るとともに、川上から川下にいたる産業チェーを発展させてきた。日本はEPAを通じて日本車の欧州市場開拓をさらに進め、米国車からEU市場のシェアを奪おうとしているだけでなく、日本車の長年の米国市場頼みの局面を改めようとしている。これはEUを本拠地とするフォルクス・ワーゲン(VW)グループへの大きな挑戦でもある。報道によると、VWとトヨタは世界の2大自動車グループであり、どちらも年間販売量が1千万台を超え、世界で1千万台を超えるのはこの2グループだけだという。

日本は自動車をEU市場に送り込むために、自国の農家の圧力に耐えながら、農産品・水産品市場を徐々にEUに開放せざるを得なくなった。日本の農産品価格は他国に比べて非常に高く、果物も米も高く、ほぼすべての農産品が高い。小麦粉を例に挙げると、国際市場での小麦価格は安いが、日本の店ではリンゴが1個12元(1元は約16.1円)、豚肉が1キログラム100元、小麦粉が1キログラム16元になる。1億人あまりの人口を抱える日本の農業市場をみると、先進国の中で農産品の自給率は最低の40%しかなく、日本は食品の純輸入国といえる。輸入元は主に米国、中国、オーストラリア、カナダ、タイだ。EUは農業が盛んな地域として、日本の農業市場に狙いを定め、今年2月1日からは、EPAに基づいてEUの優位性のある農産品を日本市場に輸出することになる。日本は協定の中で、EUから輸入される農産品、食品、飲料に対して関税と割り当てで優遇するとしており、フランス、スペイン、イタリア、オランダをはじめとするEU28ヶ国の農家に恩恵が及ぶ見込みだ。別の角度からみると、EU産農産品は米国産農産品に取って代わることができるが、中国が日本に輸出する農産品は代替力が弱い。EPAは日本の輸入市場における米国農産品のシェアを奪い、米国農家の利益も奪う可能性があるが、中国はEUと日本の協力強化により、対EU・日経済貿易活動で一定の圧力に直面することは避けられないとみられる。また中国はEUにとって最大の貿易国として、今後EUに先端製品を輸出すれば、競争力で勝る日本の同類製品の圧力を受けることになる。EUは13年に中国との二国間相互投資協定(BIT)、14年に日本とのEPAの交渉をそれぞれスタートさせたが、BIT交渉は停滞状況が続いている。

19年になると、EUと日本は引き続き提携を強化した。日本の安倍晋三首相は1月9日にEUを訪問し、オランダのルッテ首相、英国のメイ首相とそれぞれ会談し、いずれも経済貿易協力が主な議題となった。農業大国であり、特に酪農大国であるオランダは、安倍首相の今回の訪欧の最初の訪問地だ。外部では、「この訪問はEPA発効に当たってベンチマークになる製品の貿易を推進する役割を果たし、EUの生産者の一部にある懸念を払拭することが狙いだ」との見方が広がる。(編集KS)

「人民網日本語版」2019年1月16日

コメント

最新コメント

空又 覚造 - 29-01-2019 22:16:36
農産物に関しては,2つの観点から考える必要がある。一つは食品の安全性。二つは政府補助金、食品の安全性については言うまでもないであろう。遺伝子組み換え食品などは論外である。狂牛病の牛肉も御免こうむりたい。ただ安いというだけで,農薬たっぷりの野菜などは食べたくない。ホルマリン漬けの肉など御免こうむりたい。保存剤や添加物もほとんどゼロに近い使用であってほしい。
二つ目の政府補助金。政府補助金の差が価格に反映されては日本の農業は負ける。牛乳など産地直送のものを飲みたい。EUからどうやって持ってくるのか。牛乳だけでは酪農家は利益が出ないからチーズや肉の生産も必要となってくる。日本の,規模が小さい酪農家はEUの補助金に負けることは明らかである。したがってEUとのEPAには反対する。

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