中国の科学者、海からプラスチックを分解する菌群と酵素を発見

人民網日本語版 2021年04月27日14:19

国際的な学術誌「Journal of Hazardous Materials」は25日、中国科学院海洋研究所の孫超岷氏のチームによる最新の研究成果を伝えた。チームは初めてポリエチレンテレフタラート(PET)とポリエチレン(PE)を効果的に分解する海洋微生物菌群と酵素を発見した。プラスチック分解微生物と機能性酵素の取得、プラスチックゴミ分解バイオ製品の発展に向けた重要な理論的根拠と候補材料を提供するとともに、分解が困難なPEの分解のボトルネックを解消する見通しだ。科技日報が伝えた。

孫氏の科学研究チームは2016年より、青島近海で千点以上のプラスチックゴミを採取しており、大量のスクリーニングによりプラスチックゴミに付着するある菌群がPETとPEの表面において顕著な入植と分解能力を持つことが分かった。この菌群はプラスチックゴミを含む培養基の中で高い成長能力を維持できる。これはプラスチック分解によりエネルギーを補給しているためと推測されている。菌群の構成と存在割合の定量分析により、5種類の優勢個体群が存在することが分かった。培養技術と結び合わせて上述した5種類の細菌の純粋培養株を取得し、うち3種類に顕著なプラスチック分解能力があった。この3種類の細菌を一定の割合で配合することで、安定的に共存しPET・PEゴミに対して顕著な分解能力を持つ菌群を取得した。この菌群は特にPEの分解を好み、2週間でばらばらに分解できる。

研究者は赤外線、ゲル浸透クロマトグラフィー、X線回折、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、マススペクトルなどの手段により、多方面から上述した菌群がPETとPEを効果的に分解することを証明した。メタトランスクリプトーム技術によりこの菌群がプラスチック表面でバイオフィルムを形成し入植し、かつ酵素を分泌しプラスチックを分解しエネルギー源とするプロセスを解析した。さらにスクリーニングによりPETとPEの分解に参加しうる複数の候補酵素を選び出し、最終的に体外発現技術と結びつけることで24時間内にPEを大幅に分解する複数の酵素を取得した。(編集YF)

「人民網日本語版」2021年4月27日

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