初版出版80周年を記念し、「まんが星の王子さま」の中国語版を出版 

人民網日本語版 2023年02月17日14:26

2023年は、「星の王子さま」が出版されて80周年というアニバーサリー・イヤーとなっている。接力出版社は、80周年を記念し、「まんが星の王子さま」の中国語版を出版した。同書は、文を奥本大三郎氏が、漫画をやましたこうへい氏、そして中国語翻訳を毛丹青氏がそれぞれ担当している。文学と芸術という2つの価値を具えたグラフィックノベルは、ますます幅広い読者に認められ、好まれるようになっている。中国新聞網が伝えた。

絵本作家でイラストレーターのやましたこうへい氏は、「『星の王子さま』の絵を担当することになったのは、私自身も奥本先生もこの作品に個人的な興味を抱いていたからだった。奥本先生とはこれまで長きにわたり一緒にお仕事をさせていただいてきたし、私自身も小さい頃から『星の王子さま』が大好きだったので、この作品を一緒に作ったら面白いかもしれないと思った。私がこのアイデアを口にしたところ、奥本先生から半分ほど翻訳された原稿を渡された。そして次の打ち合わせまでに、私は先生の翻訳を元にラフスケッチを用意した。こうした作業は、我々2人にとって非常に楽しく、意義深いことだったので、本腰を入れて一緒にやることが決まった。決して、最初から出版を実現させようと思っていたわけではない」とした。

今回出版された「まんが星の王子さま」において、奥本氏は原作の内容を一切カットせず、やました氏は、原作者であるアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ氏自ら描いた挿絵の星の位置や、物語の中で王子さまがパイロットに描いてほしいと願ったヒツジの絵などを100%精確に再現している。

また在日中国人作家・翻訳家として有名な毛丹青氏は、やました氏はこの作品を描く上で、文を絵で表現するという作業に極めて多くの時間をかけたことを明らかにした。例えば、物語に登場する飛行機に関しては、まず飛行機の模型を制作し、その実物を見ながら描き出していったそうで、描いた絵の枚数は数千枚にも上ったという。

「星の王子さま」が世界中で人気を集めているのはなぜなのだろうか?毛丹青氏は、それを「前に進む」という言葉で集約している。「人の心を打つ作品というものはどれも『前に進む』というテーマが込められている。『星の王子さま』も例外ではない。王子さまは、星から星へと旅を続け、王様の星から実業家の星、そして小さな星へと行き、最後に地球を訪れてパイロットと出会った。このように王子さまは常に前に進んでいる。前に進むと、人は成長し、視野が広がる。私は、これこそがこの物語の核になっていると思う」とコメントしている。

漫画家の聶峻氏は、「『まんが星の王子さま』中国語版は、東洋と西洋という異なる文化の『対話』のようだ。原作者のアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ氏は、ロマンチックで自由奔放な作家だが、『まんが星の王子さま』の絵を担当したやました氏は、ロマンチストだが思慮深い絵本作家と言える。そんな彼らの対話において、私はまずその色彩に魅了され、リラックスして伸びやかな気持ちになった。深く掘り下げてみると、やました氏は、東洋スタイルの美意識によって西洋の物語を解釈し、浮世絵独特の色彩要素を絵に取り入れている。読者は、浮世絵にみられるミントグリーンが、この本のページに、とても鮮やかに、かつ優しく存在していることに気づくであろう」との見方を示した。

「人民網日本語版」2023年2月17日

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