故宮の時計修理職人・王津さん 王津さんは国家級無形文化遺産古代時計修理技術の3代目伝承者で、故宮での仕事を始めて39年になる。毎朝8時から夕方5時まで1日じゅう事務所に座り、長年にわたりひたすら文化財に向き合い続けてきた。将来的な発展について王さんは、「先祖代々受け継いだ技術を途絶えさせることはできない。故宮の時計は千点以上収蔵されており、修理は世代を超えて共同で行う必要がある」と話す。
イ族漆器の製作技法を守る吉伍伍呷さん 川西大涼山に、古から伝わる伝統技巧がある。それは、原生の漆を顔料とし、赤・黒・黄の三色を用いた漆器で、昔は彝(イ)族の戦士が身に着ける鎧や畢摩法器(祭事者が祭事に使う容器)に使用されていた。吉伍伍呷さんは、吉伍家漆器づくりの17代目伝承者で、彼は「漆器は完全な手作り品で、多大な時間と労力が必要だ。昔は、皇室、高官、位の高い人しか使うことができなかった。その価値は極めて高い。先祖代々受け継がれてきた技巧を私たちの代で絶やすことはできない」と話す。
竹彫刻工芸の伝承者・徐秉方さん 江蘇省常州市に住む徐秉方さんは、竹彫刻家の徐素白さんの第三子で、幼い頃から竹彫刻を学び、雲の彫刻を得意としている。2009年に徐さんは、国家級無形文化遺産である竹彫刻の国家級伝承人となり、娘の徐文静さんと徐春静さんも、すでに30年近く竹彫刻を作り続けている。徐さんたちは「手工芸職人」としての初心を持ち続け、彫刻の大量生産や工業化を考えず、黙々と精巧な彫刻作りに打ち込んでいる。
刺繍手工芸人・熱娜古麗•素批さん フランス・パリで開催されたオートクチュールコレクションで、中国の刺繍作品「花開了」が披露され、注目を集めた。これは、ハミ市五堡鎮の女性手工芸人である熱娜古麗•素批さんの作品で、柄は彼女の母親が50年以上前に製作した花の刺繍をモチーフにしたという。熱娜古麗•素批さんは6歳の時に、母親から刺繍を学ぶようになった。近年、政府が無形文化遺産を重視し、その保護に努めるようになるにつれ、ハミ市の刺繍も注目を集めるようになった。