今年20歳になる郭世俊さんは安徽省六安市郊外に住む高校3年生だ。明るく活発な彼はずっと学年でも上位の成績を保ってきたが、その優れた成績の陰には、辛く人の心を打つようなエピソードがある。新華社が伝えた。
郭世俊さんの62歳になる父親、郭益山さんは2012年6月、事故で高さ10数メートルの橋から転落し、高度マヒの障害を負った。郭世俊さんが子どもの頃から母親は脳膜炎の後遺症で一人で身の回りの事をすることもできず、一家は父親が農業で得るわずかな収入を頼りに暮らし、郭世俊さんと姉を学校に通わせていた。大黒柱の父親が障害を負って以来、大学に通う姉に負担をかけないために、18歳の郭世俊さんは毅然として父親の世話を一身に背負うようになった。
2012年9月に新学期が始まると、郭世俊さんは母親の世話を高齢の祖父にお願いし、自分は父親を伴って家から20キロ以上離れた学校近くに部屋を借り、通学しながら父親の世話をする生活を始めた。あっという間に郭世俊さんは高校3年に進学し、勉強や生活はますます忙しくなった。父親は高度マヒのためトイレにも自力では行けず、郭世俊さんは毎日、食事を作って父親に食べさせるだけでなく、寝返りやマッサージ、排泄の介助も行っている。郭世俊さんは毎朝早朝5時過ぎに起床し、夜は12時にやっと就寝する生活だが、彼は生活の重圧に潰されるようなことはない。不幸に直面しても彼は楽観的で大らかな気持ちで、努力奮闘している。教師や同級生から見た彼は模範的な学生で、隣人から見た彼は理想の息子だ。
郭世俊さん一家は現在、200元余りの最低生活保障金を頼りに暮らしているが、部屋の賃貸料だけでも300元かかる。彼は親戚や隣人から6万元近くを借金し、父親の手術代と高校在学中の生活費にあてている。親戚も父親への郭世俊さんの親孝行な気持ちに心を動かされ、彼がこの苦境を乗り越えるのを進んで手助けしている。学校は郭世俊さんの家庭の状況を知ると、彼の在学中の全ての費用を免除し、また彼のための募金活動を行って、生活の負担を軽減し、全国大学統一入試に集中できるようにしている。
苦しい生活に鍛えられ、郭世俊さんはさらに成長し、自分の努力により必ず生活は改善できるという信念を持っている。(編集YH)
「人民網日本語版」2014年1月20日