笹川日中友好基金主催の中日環境問題シンポジウムが1日に東京で開催された。両国の専門家がPM2.5など環境問題の研究や中日環境保護協力について話し合った。
清華大学の賀克斌環境学部長、愛媛大学の若松伸司農学部教授が基調講演を行ない、参加者の質問に答えた。笹川平和財団の吉田文彦常務理事、中国青年国際人材交流センターの賈棣鍔副理事長も挨拶を述べた。
賀氏は講演で「統計によると1990年から現在までの中国の単位当たりGDPの大気汚染物質排出量は一貫して減少傾向にあるが、長期の高度経済成長のため、大気汚染物質の総排出量は依然増加傾向にある。有害濃霧は中国の大気汚染問題において比較的深刻な問題であり、PM2.5とも極めて高い関連性を持つ」と指摘。「PM2.5などの大気汚染問題に対して、中国はこれまでで最も厳しい対策を打ち出した。2013年に打ち出した大気汚染対策行動計画によって、全国の大気の質は5年後に全体的に改善され、重汚染天気は大幅に減少し、北京・天津・河北省、長江デルタ、珠江デルタなどの大気の質は明らかに好転する。中国はPM2.5問題関連の各研究を積極的に推し進めると同時に、日本を含む国際社会との協力を展開する」と述べた。
若松氏は「PM2.5の発生には人為的要因と自然的要因がある。これらの一次排出成分と大気中の物質は物理・化学反応を起こし、2次成分を生成する。データによると中国のPM2.5汚染には特殊性があり、成因は比較的複雑だ」と指摘した。
1998年頃から環境問題に関する中日の共同研究に参加した若松氏は今後のPM2.5研究の主要課題についても説明。PM2.5の成分および発生源を把握し、高精度のモニタリング及び蓄積した観測データを通じて解決策を研究する必要性を指摘した。また、大気汚染の人体の健康以外への影響、および生活の質の向上などの課題も指摘した。
吉田氏は「笹川日中友好基金は設立以来一貫して各分野で中日友好に尽力している。今回の環境問題シンポジウムは交流活動の一環だ」と指摘。「PM2.5など大気汚染問題は中日両国が共通して直面する課題だ。共同研究を通じてこの問題が改善されることを希望する」と述べた。
賈氏は「汚染対策、持続可能な発展は極めて困難な課題であり、環境問題の学者たちの研究成果は問題解決に重要な役割を持つ。中国と日本は隣国として、環境問題で高い関連性を持つ。中日両国が環境保護分野で協力を深化し、両国民に幸福をもたらすことを希望する」と述べた。(編集NA)
「人民網日本語版」2015年10月2日