2015年ノーベル賞授賞式が現地時間10日午後4時半、スウェーデンの首都ストックホルムのコンサートホールで開かれた。授賞式に出席した中国人女性薬学者の屠呦呦氏は、スウェーデンのカール16世グスタフ国王からノーベル賞のメダルと賞状を受け取り、中国初のノーベル生理学医学賞受賞者となった。>>詳細へ
ノーベル賞選考委員のハンス・フォースバーグ氏は祝辞の中で、屠氏の科学的貢献を高く評価し、「屠氏のアーテミシニン(アーテミシニン)の発見は、マラリア治療の新薬の開発と発展を促した。この薬はすでに100万人以上の命を救っており、この15年間でマラリアの致死率を半減させた」と述べた。アーテミシニンの他にも、中国医薬が著しい成果と遂げた。
中国初の抗がん中国医薬、米国で第3期臨床段階に入る
浙江中医薬大学はこのほど記者会見を開き、中国が独自の知的財産権を持つ抗がん中国医薬「康莱特注射液」がアメリカ食品医薬品局(FDA)の審査に合格し、第3期臨床段階に入り、米国のがん患者の間で使用を拡大したと発表した。同製品は米国で第3期臨床段階に入った、初の中国医薬注射剤となった。>>詳細へ
中国が開発した抗癌剤、世界で流通
中国が開発した抗癌剤の新薬「チダミド」は、中国が初めて米国などの先進国に特許使用を許可した独自の新薬だ。これは中国の、構造に基づく分子設計、ターゲット研究、安全評価、臨床開発、実用化の実現に至る全過程のコア技術・能力が向上したことを意味し、中国医薬業界の歴史的な進展である。>>詳細へ
中国医薬資源調査、32種が新たに発見
中国中医科学院創立60周年国際学術発展大会が、このほど北京市で行われた。同大会の発表によると、中国は31省・922県で第4回中国医薬資源調査を実施した。全国1万9000人が参加し、新たに2属・32種が見つかった。今回の調査は、中国医薬資源状況の把握、中国医薬の動的モニタリング・栽培システム、中国医薬の種子・種苗栽培システムの構築、中国医薬資源と関連する伝統的な知識の調査を目的としている。>>詳細へ
中国、中国医学の博士号・修士号設置へ
中国国務院学位委員会第31回会議で、中国医学の学位設置が審議され可決された。中国医学や中国医薬の事業発展を促し、中国医学専門の人材育成体系を整備し、そのスタイルを革新することで、切迫している同分野の人材育成を進めることを目的としている。設置される中国医学の学位は、博士号、修士号の2つ。中国医学と西洋医学を組み合わせた分野や民族医学も含まれている。>>詳細へ
北京、中国医学の要素を盛り込んだ観光商品PR
北京では今後、薬膳料理や中国医学の体験、中国医薬の専門店・同仁堂の生産拠点の見学などを行う外国人観光客が増えそうだ。「2015年北京国際ビジネス会議及び観光展覧会(China Incentive、Business Travel & Meetings Exhibition)」が5日開幕し、北京市は、中国医学の要素を盛り込んだ旅行商品や資源を重点的にPRし、中国医学の伝統と文化を宣伝していくのだ。>>詳細へ
日本中医薬孔子学院がイベント開催
多種多様な中国医薬の標本、多種多様な鍼灸や抜缶(吸い玉)、刮痧(かっさ)、艾絛(もぐさ)器具。日本学校法人兵庫医科大学中医薬孔子学院に展示された中国医薬や器具は多くの地元市民の目を引いた。世界における孔子学院設立11周年記念を間近に控えた26日、日本学校法人兵庫医科大学中医薬孔子学院では「孔子学院デー」が開催され、地元市民に中国文化と中国医薬の知識が伝えられ、多くの中国医薬愛好家を魅了した。>>詳細へ
外国人留学生、中国で中国医薬を学ぶ
イタリア出身の胡幸笛(中国名)さんは、中国語本科の5年生。現在、北京の中医薬大学第三付属病院で医師について臨床実習を行っている。彼女は、「中国医薬は、理解が深まれば深まるほど、その変幻自在ぶりと奥深さにいっそう惹きつけられる」と話した。>>詳細へ
中国医薬体験ツアー、外国人に大人気
中国医薬体験ツアーは、中国文化色が極めて濃厚であることから、外国人観光客の間で特に人気が高い。世界中国医薬学会連合会育成訓練部の李鶴白部長は、「日本人観光客と韓国人観光客が司馬台長城を訪れ、八段錦(中国気功法の一つ)を学ぶオプショナルツアーは、すでに人気の定番となっている。薬植園の中国医薬レストランや薬膳も大変人気があり、香港・マカオ・台湾からの観光客は、食事を終えた後、蜂蜜や薬膳茶などの商品を買い求める」と述べた。外国人観光客は、ツアー中に、養生に関する講座を聴くことが大好きで、カルチャーギャップによって、彼らの異文化体験度が大いに高まるようだ。また、自費で、フットマッサージ、マッサージ、SPAなどを体験する、あるいは中国医薬材料や保健商品を購入する人も多いという。>>詳細へ
中国医薬製品の輸出額増加 香港・日・米が大市場に
中国医薬保健品輸出入商会の劉張林副会長は11日、甘粛省隴西県で行われた中国医薬「1ベルト、1ロード」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)国際協力フォーラムおよび「1ベルト、1ロード」駐中国使節中国医薬製品ツアーに出席し、取材に答える中で、「全国的に輸出入貿易が落ち込む状況の中、中国医薬製品の輸出は『一人勝ち』で、今年1~7月の輸出は約10%増加した」と述べた。
劉副会長は中国医薬製品の輸出入の状況を分析し、「『1ベルト、1ロード』の建設にともない、中国医薬製品は国際貿易の中でますます重要な地位を占めるようになり、今年上半期には、中国医薬製品は154カ国・地域に輸出された。アジア地域が引き続き主要輸出市場で、そのうち香港地区が大陸部の中国医薬製品輸出の1番目の市場で、上半期だけで輸出額は3.0億ドル(約360億円)に達した」と述べた。>>詳細へ
中国人留学生がドイツの病院で中国医薬を体験
ドイツの中国人留学生「中国文化が浸透している国として、真っ先に日本を思い浮かべるが、ドイツで中薬(中国医薬)が流行している。少し前に風邪で病院に行った時、ドイツの医者は抗生物質などではなく、薬草を1セット処方してくれた。この医者は、『薬草を煮込み、その蒸気を吸いなさい。発熱には、生姜汁を薄めた物を飲みなさい』と話した。ドイツで中国医薬が広まっていることに驚きを隠せなかった」と体験談を紹介した。>>詳細へ
海外の中国医薬研究者 ノーベル賞授賞に興奮
海外の複数の中国医薬研究者は、「中国医薬の研究は最高の時代を迎えるだろう」と表明した。
イタリア中華医薬学界主席団の執行委員を務める、華人の中国医学医師郭春彪氏は取材に対し、「世界に進出している中国医薬研究者は30万人に達する。屠呦呦氏のノーベル生理学医学賞受賞は、私たちの大きな励ましとなった」と述べた。>>詳細へ
17年の長きにわたりスウェーデンで中国医学を普及する仕事に携わっている専門家の宗金波氏は屠氏の受賞によって、世界での中国医薬の知名度が高まっただけではなく、海外で中国医薬の普及を進めている我々にとっても、絶好のPR材料となった。それよりも重要なことは、投資の誘致が期待できることだ。すでに、中国医薬業に投資を希望する企業からのコンタクトがあった。協力関係が実現すれば、すでに還暦を過ぎた私ではあるが、若い時のように、スウェーデンさらにはヨーロッパ全土に中国医薬を普及する仕事をもうひと踏ん張りがんばりたいと述べた。>>詳細へ
海外での発展:まだ多くの困難
ノーベル賞受賞という喜ばしい出来事があったが、中国医薬の海外での普及には、まだ多くの困難が立ちはだかっている。
劉副会長は中国医薬製品が海外進出し、国際市場を開拓する際の最大の障害は、「第1に法律・法規と登録の難しさ、その次は中国医薬製品が輸出後にいかにして営業販売ルートを開拓するかという問題だ」と指摘する。>>詳細へ
英国では、中国医学の医師(漢方医)の身分は、「ハーブ薬剤師」の地位に格下げされている。オーストリアでは、漢方医の法的立場は比較的上位にあり、彼らの地位はかなり高い。だが、北米では、漢方薬は「保健食品」のカテゴリーに組み込まれている。鍼灸は米国でブームが起こり始めたが、法的保護の面ではまだまだ十分ではない。全体的に、海外での中国医薬の地位は総じて低く、法律保護の面でも行き届いていないのが現状だ。
海外での漢方医の地位が低い根本的な原因は、西洋医学文化の理念との違いに由来する。西洋医は、漢方医の知識はあくまでも「代替医学」の域を出ず、「まともな医学」ではないという認識を持っており、漢方薬の薬効については、中国医学の説明ではなく、科学的根拠にもとづいた具体的な説明を求めている。>>詳細へ
ノーベル賞という「東風」の力を借りて発展するための2つの条件
今後、海外の中国医薬界が、ノーベル賞という「東風」の力を借りて発展するためには、絶え間ない革新によって、現状を打破しなければならない。
宗氏は、中国医薬業を海外で発展させるプロセスで、「中国医学の病院、製薬会社、教育機関」が三位一体となった発展モデルを展開し、海外における漢方医の人材育成と人材利用を結びつけることの必要性を強調した。
また、華人の中医学界も、各自の居住国の文化を理解し、絶えず新しい方法を編み出し、新しい方法を試すことで、漢方医に対して外国人が理解を深めるよう、尽力しなければならない。(編集XM)
「人民網日本語版」2015年12月14日