毎年4月末から5月初めにかけて、日本最大のお茶の産地である静岡県は、新茶の収穫期を迎える。筆者はこのほど、静岡県掛川市の茶園とお茶の葉の加工工場を取材した。人民網が報じた。
おいしいお茶の栽培の欠かせない要素としてまず挙げられるのが「気候条件」。年間降水量が約1300ミリの地域が最も適しており、特に4月から10月にかけて、十分な降水量が必要だ。また、年間平均気温は14~16度が望ましく、冬の最低気温は零下5度以上、夏の最高気温は40度以下でなければならない。そのような気候条件を備えている静岡県は、お茶の栽培面積や年間生産量、市場シェアのいずれも日本一だ。
研究によれば、お茶が最初に日本に伝来したのは西暦8世紀ごろである可能性が高いとされており、その後、日本独自のお茶文化とお茶産業が形成された。明治時代にはお茶の加工機械が発明され、機械による製茶が可能になったことで、茶葉の生産が飛躍的な発展を遂げた。現在、掛川市のお茶の生産工場は茶摘みから加工までほぼ機械化されている。
掛川市の茶の蔵「かねも」の支配人・角替晃さんによると、掛川市には独特のお茶の栽培方法がある。それは茶畑周辺で刈り取ったすすきなどの雑草を茶畑に有機肥料として投入し、お茶の味の改良するというものだ。毎年秋になると、現地の茶農家は、茶畑周辺ですすきなどの雑草を刈り取り、乾燥させてからお茶の木の根元に敷いている。この「静岡の茶草場農法」は2013年に「世界農業遺産(GIAHS)」に認定された。
角替さんによると、日常的に緑茶を飲むことは身体に良く、お茶の生産が盛んな掛川市は、日本指折りの長寿の街でもある。医療政策機構・がん政策情報センターが、厚生労働省が公表する2003年から2007年の人口動態保健所・市区町村別統計データを基に分析した結果、日本国内人口10万人以上の市区において、掛川市のガン死亡率は最も低く、男性が2位、女性が1位という結果だった。(編集KN)
「人民網日本語版」2016年5月3日