北京大学で学ぶ日本人留学生の阿部理さんは「故郷の山形県は食文化で有名な土地。豊かな自然の資源と純朴な人々によって、様々な食べ物が育まれている」と語った。より多くの中国人に自身の故郷を知ってもらうだけでなく、中国で学ぶ留学生という立場から自分の故郷を改めて見つめなおそうと、阿部さんは彼の中国人の友人で共に北京大学で学ぶ賓棟さんと共に今回の「若者が掘り起こす“東北"の魅力を発信する~東北 絆プロジェクト~」に参加し、「食文化」をメインに山形県で取材を行う。酒田市はこの中日学生ペアが取材旅行を始める最初の土地だ。人民網が伝えた。
酒田市は山形県北西部に位置し、庄内地方北部の中心都市。阿部さんと賓さんは酒田市のシンボルで、百年以上の歴史を持つ山居倉庫を最初の取材対象に選んだ。
山居倉庫は1893年(明治26年)に建てられた米穀保管倉庫で、現在も農業倉庫として使用されている。現存している倉庫は12棟で、屋根は断熱を考慮した二重構造となっており、倉庫の背後に広がるケヤキ並木は陽射しを遮ると同時に冬の強い季節風から建物を守っている。またここは中国でも人気の高かった日本のドラマ「おしん」のロケ地でもある。庄内米歴史資料館として利用されている1棟の山居倉庫で、阿部さんと賓さんは山形県の米の品種やその改良の歴史を学び、精巧な等身大ジオラマを見学して山居倉庫の検査・入庫作業や昔の農家の生活風景を感じたほか、60キロの米俵を担ぐことも体験し、ドラマ「おしん」の中でおしんの母親が背負っていた重さとその苦労を実体験した。
その後、さかた海鮮市場を見学した二人の大学生は酒田市中心にある相馬樓を取材し、特産の米と山形の食材を使った美味しい料理に舌鼓を打ちながら、酒田舞娘の演舞を鑑賞した。相馬樓の歴史は古く1603年までさかのぼることができる。現在の相馬樓は1952年の庄内大震災の大火で焼失した直後、残った土蔵を取り囲んで建てられたもので、1996年、国の登録文化財建造物に指定された。
日本人の友人の故郷を訪れた第一印象を聞かれると、賓さんは「本当にすごい!」と感嘆した。彼はこの土地の美味しい食べ物にひきつけられただけでなく、何よりも食べ物や料理の一つ一つの背後に歴史や文化、伝統とつながりがある点に感動したと語った。
この後も2日間の予定で、阿部さんと賓さんは鶴岡などの土地を訪れ、食文化探求の旅を続ける。(編集TG)
「人民網日本語版」2016年5月18日